僕らは2頭のお父ちゃんとお母ちゃん
ゆう太を迎えられた酒井さん
取材・文 金子志緒 撮影 田尻光久

酒井さんご夫妻と、左からうらら(メス・4歳) 、ゆう太(オス・6歳)
犬たちのおかげで気の合う友達が増えた

酒井さんはどんなときに「犬を迎えてよかった」と思いますか?
ご主人 ゆう太とうららがいるだけで楽しくて幸せですね。毎日が最高なんですよ(笑)。いつも「迎えてよかった」と思っています。すっかり犬中心の暮らしにシフトしました。
奥様 ふかふかのお布団で一緒に寝てくれるとか、何気ないことが幸せですね。
ご主人 犬がいなかったら散歩なんて行かないし、ちゃんと朝早く起きられるようになるとは思っていませんでした。
奥様 規則正しい生活になりましたね。主人の晩酌は毎日ですけど、散歩の時間になると絶対に起きます(笑)。私はこのあたりが地元ではなく、知り合いがいなかったんですけど、犬を連れているおかげで友達ができたのもうれしかったですね。犬が人を呼んでくれたというか。
ご主人 散歩の時間に会っているうちに自然と顔見知りが増えました。お付き合いのあるワンコ仲間は15頭いて、飼い主のみんなで「保護者会」と呼んでいます。今では定期的にうちに犬連れで集まって飲み会も開いていますよ。

本日もお友達がたくさん集まってくれましたね。
ご主人 ゆう太もうららも気の合う友達ができてうれしそうです。川遊びをしたり走り回ったりするときだけじゃなくて、一緒に歩いているだけでもうれしそうなんですよ。
奥様 私たちと同じように保護犬を迎え入れた飼い主さんもいます。カツとリリーはうちにもよく遊びに行きてくれるんですよ。
ご主人 同僚や友人から、保護犬を迎え入れたいという相談を受けるようになりました。「逸走への注意や慣れるまで時間を要するけど、どこから迎えても同じ命だから」と伝えて、保護犬をすすめています。

酒井さんとご友人のみなさん。犬たちは左からそら、うらら、ゆう太、カツ、リリー
ワンコ仲間のみなさんで、子猫を保護したこともあったそうですね。
ご主人 散歩中に生まれたての子猫を拾ったときにも、ワンコ仲間で手分けして預かってくれたんですよ。ゆう太やうららを通じてみんなが保護犬猫のことを知っていたので、親身になって子猫たちを助けようとしてくれました。
奥様 うちで預かった子猫は弱っていて、残念だけど助けられなかったんです。
ご主人 うららも子猫に寄り添って、育児をするようにがんばって世話をしてくれたんですが......。今でもうららは近所で似た猫を見かけるたびに「あのときの子猫だ。元気になってよかったね」と言うかのように気にするんですよね。いつかうちも保護猫を迎えたいという気持ちもあります。
誕生日を迎えるたびに笑顔が増えていく

犬を迎えるにあたって、保護犬のゆう太を選んだ理由を教えてください。
ご主人 僕も妻も小さいときにしか犬を飼っていなかったんですが、いつかまた犬を迎えるとしたら保護犬を1頭でも救いたいと思っていたんです。6年前のペット可マンションへの引っ越しを機に「さて、保護犬だ!」と、里親になる気満々で ペットのおうち®︎ で犬を探したんですよ。
最初は里親が見つかりやすい子犬じゃなくて成犬を迎え入れようと思っていたんですけど、妻が犬との生活は久しぶりだから、しつけのしやすい子犬から育てたいと言ったんですね。それで、推定2か月のゆう太を見つけたんですよ。
奥様 最初に私が一目ぼれして(笑)。
ご主人 もう、もう、もう、かわいくて! この子に決まりだと(笑)。

ペットのおうち®︎ に掲載されていたゆう太の写真
久しぶりの犬との生活の中で大変だと感じることはありましたか?
奥様 ゆう太は穏やかな子なので、困ることはないですね。いたずらだって、ソファの下に潜り込んで座面をちょっと破ったくらいだよね?
ご主人 パソコンのケーブルをかじったことがあった。いつもケーブルを抜いていたからゆう太はけがをしないで済みましたが、子犬の時期は特に気をつけないといけませんね。

今日はちょうどゆう太のお誕生日だそうですね。おめでとうございます!
奥様 6歳になりましたが、子犬の面影がありますよね。一目ぼれしたかわいさがわかってもらえるんじゃないかと思います。
ご主人 子犬のころのゆう太は、母犬とはぐれて保健所に収容されていたせいか、表情がちょっと暗かったんですよね。今のほうがニコッと笑うようになったし、明るくなりました。
奥様 犬たちを連れて行くホームセンターのスタッフにも「表情が変わった」と言われてうれしかったですね。

2頭目のうららを迎えるときには迷わなかったのでしょうか。
ご主人 迷いも何も、うららに会っちゃったので(笑)。ゆう太が1歳になったときに、保護主さんに顔を見せに行ったんです。そうしたら「かわいい子がいるけど、2頭目にどうですか?」と言われて、子犬が出てきちゃいました。「わかりました!」と言うしかないですよね。
奥様 推定2〜3か月のかわいい盛りだったんですよ。ゆう太と会わせて相性を見てから連れ帰りました。
ご主人 2歳ぐらいまではとんでもないおてんばでしたね。和室の畳は全滅です(笑)。
奥様 ゆう太がおとなしかったので、うららのパワフルないたずらにはびっくりしました。4年前に引っ越してきた今の家は壁をかじられただけで済んだから、主人と「だいぶおとなになったね」と話しています(笑)。うららがいたずらをしないように、ゆう太が面倒を見てくれたんじゃないかなと思っているんですよ。
たくさんの愛情と時間、ほどよい距離感が保護犬の心を開く鍵

ゆう太とうららの性格や長所を教えてください。
ご主人 ゆう太は観察力や言語理解能力が高くて、人の言うことはわかっていますね。オスワリやオテみたいな指示は教えましたけど、毎日のなにげない習慣はいつの間にか覚えていました。散歩のときに「右に曲がるよ」と言えば右に行くし、「ちょっと待って」という声かけも伝わっている気がしますね。
奥様 ゆう太は私たちが言葉にしないことまで察してくれるんですよね。うららは天真爛漫でぽやんとしていますけど、ゆう太のことはお兄ちゃんと思っているみたい(笑)。

犬たちはご家族のことをどのように思っているのでしょうか。
ご主人 僕らは2頭のお父ちゃんとお母ちゃんのつもりで、ゆう太も僕のことをお父ちゃんと思っています。でも、うららは恋人だと思っているようです(笑)。ゆう太もうららも僕にはチュウを20ペロくらいするけど、お母ちゃんには1ペロくらいなんだよな(笑)。
奥様 しっかりと差をつけられていますね。私がゆう太を抱っこすることが多いのは、うららがお父ちゃんにべったりだから(笑)。うららは20kgもあるので、16kgのゆう太のほうが抱えやすくて助かっています。

これから保護犬を迎えようと思っている方に伝えたいことは?
ご主人 元野犬の保護犬には、賢い子が多いように感じます。ぜひ迎え入れることを考えてみてほしいです。飼育に関しては怖がらせないことですね。うららもゆう太と同じ元野犬ですが、保護主さんの家で育ったせいか人懐っこい子でした。でも、僕の父に背後から抱っこされただけで警戒心が芽生えてしまったんです。
奥様 人に接する機会が少なかった野犬には、根底に繊細な部分があるんじゃないでしょうか。
ご主人 そっとしてほしいんだろうな、今はグイグイ来てほしくなさそうだな、といった気持ちを察して、距離を詰めすぎないようにしながら、常に話しかけていました。心を開いてくれるまでは距離感を大切にしながら、安心できる環境をつくって、しっかりと愛してあげることだと思います。
取材・文 金子志緒 撮影 田尻光久