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シニア犬はシワの数だけ幸せも増える

イチローを迎えられた四倉さん

約1年前に ペットのおうち®︎ でイチローに出会った四倉さん。保護犬を家族として迎え入れたストーリーをおうかがいしてきました。※年齢や情報は取材時。

取材・文 金子志緒 撮影 尾崎たまき

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四倉さんご夫妻とイチロー(オス・12歳)

犬にもらった幸せを次の犬に返したい

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おそろいのTシャツが素敵ですね。もともとパグがお好きなんですか?

ご主人 子どものころから鼻ペチャ犬に縁があるんです。祖父母の家にいたペキニーズに始まり、結婚してから妻の実家で会ったパグもかわいくて、先に私の両親が影響されて飼い始めたほどです。当時はペット不可物件に住んでいましたが、パグを迎えたくて家を買ってしまいました(笑)。

奥様 パグの魅力はブサかわいい顔と丸っこいフォルム、ちょっとガンコなところでしょうか。初めての愛犬・まる太とごん太の2頭と暮らした15年間が本当に楽しくて。あの子たちには感謝の気持ちしかないんですよ。

ご主人 2頭を看取ってから1年ほどは犬がいない生活を送っていましたが、妻とは次に犬を飼うなら保護犬にしようと話していたんです。

奥様 一生懸命世話をしても、「あのときこうすればよかった」という思いは残るじゃないですか。私たちが犬からもらった幸せの分、次の犬にお返ししたいという気持ちでした。

愛犬との幸せな思い出が保護犬の里親になるきっかけになったんですね。

奥様 いろいろな保護犬を見ていた昨年の7月に ペットのおうち®︎ でパグのイチローを見つけました。暑さが苦手な犬種だし、11歳のシニアだから緊急性が高いんじゃないかと思って主人に相談したんですよ。

ご主人 元飼い主さんが病気になってしまい、代わりに世話をしていたご家族からの里親募集でした。連絡してからあっという間に話が進み、4日後にはわが家にやってきました。

奥様 最初の里親募集の文章がすごく丁寧に書かれていて、誠意を感じたことも大きいですね。

ご主人 やり取りをしているご家族がとても誠実で、愛情をもって育てられたイチローをどうしようもない状況で手放さなければいけなくなったことが伝わってきました。

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大切なイチローを四倉さんに託せて安心されたのではないでしょうか。

ご主人 元飼い主さんが「チロちゃん」と呼んでいたのがかわいくて、呼び名もそのままに。子犬のころから最近までの写真もつけてくださって、保護犬でこんなに思い出がわかる子は少ないんじゃないかと思います。ただ、写真で見たときは顔がちっちゃかったから小柄なパグをイメージしていたんですが、だいぶぽっちゃりで驚きました(笑)。

奥様 うちに来てからダイエットして1.5kgほど痩せて、今は10kgくらいです。もうすぐ13歳になるので、無理な節制をしなくてもいいかなと思い、のんびりと暮らしています。

介護にはYouTubeと100円ショップが活躍

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イチローを迎え入れてから、ご家族の暮らしにどのような変化がありましたか?

ご主人 家に帰るのが楽しみになりました。チロがこれからも安心して暮らしてもらえたらいいなと思っていたけど、想像していた以上に自分も楽しかった。

奥様 夫は前の子たち以上にイクメンぶりを発揮しています。チロちゃんのInstagramを始めたりパグのイベントも行ったりするようになって、熱の入れようが違いますね。チロちゃんへの愛情は本物だと思いました。

ご主人 先住犬は妻にべったりだったので私の出る幕がなかったけど、チロは世話をしなければいけないことが多いから。とは言っても大変な部分は妻も見てくれているので助かっています。

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介助が必要な場面が少しずつでてきているということでしょうか。

奥様 歩きやすいようにリビングにゴムマットを敷いていたんですが、半年前くらいから後ろ足が衰えて動けなくなっちゃいましたね。リハビリをしなきゃと思ってフリマアプリで犬用の車いすを買ってみましたが、うまくいかなくて......。

ご主人 と言うより、チロ本人に動く気がない(笑)。年齢や病気もあるけど、もともと楽をしたいタイプなんじゃないかなと思っています。里親になったときにはまだ歩けていた段階でしたが、思ったよりも歩けなくなるまでが早かったですね。でも、ある程度の覚悟はあったので。

他にもシニア犬との暮らしで工夫していることがあれば教えてください。

奥様 立ってごはんを食べるのも難しくなってきてから、食事のときには車いすに乗せています。チロちゃんが食べやすい高さを研究して調節しました。

ご主人 前の子たちは歳と共に食べられなくなってしまったので、食欲があるのは安心ですね。特にパグは食べる楽しみが大事だから。

奥様 食いしん坊なのに、薬を混ぜると食べないんですよ。パンに包んで口の中に入れたり粉にしてフードに混ぜたりしていたんですけど気づかれてしまって。いろいろな食べ物を試した結果、ふくらみのあるクッキーに薬を入れたら食べてくれるようになりました。クッキーのサクッとした食感が錠剤に似ていて違和感がないのかもしれませんね。

おすすめの介護・介助のグッズはありますか?

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左:ふくらみのあるクッキーに錠剤を押し込む/右:100円ショップの滑り止めシートで食器を斜めに固定する

奥様 100円ショップの滑り止めシートは便利ですね。食べやすいように食器を斜めに固定したり、トイレで立って踏ん張れるように敷いたりして使っていますよ。ほかにもYouTubeなどで「老犬 世話 コツ」と検索して、作り方や使い方の動画を見ています。言葉をしゃべれないだけに、こちらが察してあげようと常に気にかけています。

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イチローは足が不自由になってからも、ケアを受け入れてくれているようですね。

奥様 私たちに気遣いをしてくれるんです。トイレのあとにひっくり返しておなかをきれいにしてあげるんですけど、拭きやすいように足を広げてくれます(笑)。

ご主人 これまで元飼い主さんにやさしくされてきたんでしょうね。人に対する信頼関係はできていると思います。

わが家の合言葉は「保護犬から過保護犬へ」

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四倉さんとの暮らしに、イチローもすっかりなじんでいるように見えますね。

ご主人 チロは自力で歩くのは難しいけど、外に連れて行ってあげるとうれしそうにするんです。これからも一緒に出かける機会を増やしたいですね。思い出をいっぱいつくりたい。

奥様 元飼い主さんがチロを乗せていたペット用カートも譲ってくださったんです。チロが公園でちょっと歩いたと思ったら、カートに戻ってクンクンして「この自分のカートに乗るんだ」と言っているかのようです。保護犬は環境がガラッと変わるので、慣れたものがあると安心するんじゃないかなと思います。

お出かけ用の洋服や楽しそうなコスプレのグッズがたくさん飾られています。

ご主人 去年「パグフェス」というイベントに、ヘルメットをかぶったパグがいたんです。すごくかわいかいくて、チロにもかぶせたいと思って買ってしまいました。妻はかわいい系が好きなのでちょっと合わないみたいですが......。

奥様 私はヘルメットを被ったのを見たときにドン引きしました(笑)。

ご主人 昨年はご長寿犬の表彰をしてもらいました。今年11月にまた開催されるので、チロと一緒に参加するのを目標にしています。

奥様 それまで元気でいてくれるように願って、毎日を過ごしているんです。

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左:ご主人がお気に入りのヘルメット/右:奥様が選んだスカーフ付きの帽子

イチローを中心にご家族の楽しみが広がっていますね。

ご主人 犬は人より早く歳をとりますが、チロと一緒にいると時間の進み方がゆっくりで、今まで気づかなかった季節の変化や一瞬の大切さを感じられるように思います。"保護犬"から"過保護犬"へ。わが家の合言葉です(笑)。

奥様 チロちゃんがうちに来てくれたからこそ ペットのおうち®︎ で記事になりますよね。チロちゃんの生きた証を残して自慢しなきゃと思っています。最後の日まで穏やかに過ごせるように、愛情をかけてちゃんと見送ってあげたいなと。

ご主人 遠くないうちにお別れが訪れる可能性が高いですけど、限られた時間を楽しく過ごしたいですね。

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幸せが続きますように願っています。これからシニア犬を迎える方、里親を検討している方にメッセージをいただけますか。

奥様 ハードルが高いと思う気持ちはわかります。私もチロちゃんを迎える前日は、自分がちゃんと世話をできるかと心配で眠れなかったし。でも、夫が「何とかなるよ」と言って、本当に待ちわびていたんです。確かに若い犬より手はかかるんですけど、かわいいので気にならないんですよ。案ずるより産むが易しだなと思います。

ご主人 元飼い主さんがチロの状態を正直に打ち明けてくださったので、気持ちの準備をすることができました。できるだけ情報を知っておくことは大事だと思います。ハードルは高くても、大変なことばかりではないですね。何よりも歳をとったパグはかわいいんですよ。シワとともにかわいさが増していくというか。

奥様 犬と暮らす楽しさや、かけがえのない存在であることを知っている方こそ、シニア犬との暮らしが楽しくなるんじゃないかなと思います。

取材・文 金子志緒 撮影 尾崎たまき

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