キャリーに入れられ遺棄 いくつもの病気と向き合う、スコティッシュフォールドのあん
名古屋市内の保護猫カフェの玄関先にキャリーケースごと遺棄されていたあん。通報により名古屋市動物愛護センターに収容されました。当時推定7歳でした。2023年9月に保護主さんが名古屋市動物愛護センターからあんを譲り受けますが、その時点ですでにいくつもの疾患を抱えており、現在も重度の骨軟骨異形成症をはじめとした複数の病気と向き合いながら治療を続けています。痛みが強い時でも、それ以上に甘えたい気持ちが強い、とても甘えん坊なあん。そんなあんが彼女らしくたっぷり甘えることができる家族が見つかるまで、ウェルカムチャレンジでサポートしてまいります。
キャリーで遺棄、数々の疾患が判明
キャリーケースごと遺棄され、保健所に収容されていたあん。収容時からすでにいくつもの疾患が確認されました。なかでも生活に最も大きな影響を与えているのが、スコティッシュフォールドに多く見られる遺伝性疾患・骨軟骨異形成症です。骨瘤と呼ばれる骨のコブが関節にでき、歩行時の強い痛みを伴う病気で、治療法は確立されていません。現在は骨瘤の進行により、足を引きずって歩く状態となっており、歩くたびに床に骨瘤がぶつかる音がしています。「寝たきりになる可能性が高い」と医師から指摘されていますが、疼痛管理の注射を毎月行い、筋力維持のためにも、できる限り自力で歩ける環境にしています。

骨軟骨異形成症とは
スコティッシュフォールドに特有の「折れ耳」は、軟骨の形成異常を起こす遺伝子によって生じています。 この遺伝子は耳だけでなく全身の軟骨や骨にも影響を与えるため、スコティッシュフォールドでは高い確率で骨軟骨異形成症が発症します。関節の軟骨が正常に成長できず、骨瘤(骨のコブ)が形成されたり、関節が変形したりすることで、強い痛みや歩行障害が生じます。特に四肢の関節やしっぽ、背骨などに症状が現れやすく、進行性の疾患であるため、加齢とともに悪化していきます。現在のところ根本的な治療法は確立されておらず、疼痛緩和を目的とした治療が中心となります。

慢性的な膀胱炎とアレルギー
また、あんは慢性膀胱炎・腎盂腎炎により、血尿が慢性的に続いています。これまでにさまざまな投薬を試みましたが奏功せず、現在は療法食による食事管理で経過観察を続けています。さらに、原因不明のアレルギー性皮膚炎により顔や耳、指の間などに強いかゆみが出ることがあり、悪化すると、耳介に血液がたまって腫れてしまう疾患である、耳血腫を起こします。現在は必要に応じてステロイド薬を内服し、症状のコントロールを行っています。そのほか、肉球から爪状の「皮角」が生えてくる体質があり、定期的に病院での処置が必要です。
痛みがあっても甘えん坊
さまざまな疾患と向き合いながらも、あんはとても甘えん坊で愛嬌たっぷりの性格。 痛みが強くごはんが食べられないときでも、抱っこしてほしくて鳴きながら近づいてくるほどの人懐っこさがあります。他の猫は苦手なため、多頭飼育には向いていません。

あんらしく過ごせるように
あんにとっては「長生きすること」よりも「できる限り自分の足で歩き、自分らしく過ごすこと」が目標です。 今後も疼痛管理や食事療法などの継続的な医療が必要な状況が続きますが、甘えん坊なあんが、自分らしく生きられるよう見守ってくれる温かい家族を探します。

健康上の理由、経済的な理由、災害などにより、止むを得ずペットを飼育できなくなるという事態は、誰にでも起こり得ます。その時、ペットが高齢であったり持病を持っていたら、里親はなかなか見つからず、飼い主もペットも途方に暮れることになるでしょう。
ですから、難しい状況のペットでも温かく引き受けてくださる保護団体を「みんなで支えること」。また、不遇のペットを愛情を持って迎え入れてくださるご家庭が増えるように「みんなで里親文化を育くむこと」。ペットを犠牲にすることのない、持続可能なペット文化を実現するには、これらの取り組みが欠かせません。
私たちの目標は、保護をしてくださっているDOTS MEOW MORIYAMAの負担を軽減し、あんが必要とするケアを続けながら、あんに新しい家族を見つけることです。皆さまのサポートに心より感謝申し上げます。
チャレンジ運営事務局