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フジ子ちゃんは2014年の4月半ばに倉敷保健所に保護された皮膚病が酷い女の子でした。ちょうど捕獲機から檻に移されたその時に居合わせたのですが、檻の奥に固まっている女の子を見ていささかショックを受けました。とっても愛くるしい目をしているけれど、体のほとんどの部分に毛がなく、脚には床ずれのような傷もありました。「保健所のフジ子ちゃんをよろしく」というペットレポに募集経緯など綴らせていただきましたので詳しく書くことは省略いたしますが、すぐに元飼い主といわれる方がお迎えくださり、でも翌日、「おそらくうちの子ではない」という判断をされ、保健所に返還されました。
保健所内では詳しい検査はできませんが、でも職員さん(獣医さん)たちは制限のある中でもベストを尽くされます。フジ子ちゃんのストレスを考えてシャンプーはお預けにし、まずは投薬で様子を見ることになり、フードも特別なものを購入され与えられました。フジ子ちゃんのことを拡散して下さった方から情報を得て、ある方がオーガニックの特別なお食事を保健所にご寄付くださり、そのフードに切り替えフジ子ちゃんは大切に見守られてきました。
いま現在、倉敷保健所では収容から命の期限まで約1か月を頂いています。フジ子ちゃんの皮膚に毛が生えそろうまでに何カ月かかるかわかりませんし、治療にどれほど費用がかかるかもわかりません。この子のことをそれでも「お迎えしたい・・」そう思ってくださる方に出会えるかしら?? とても不安でしたが、職員さんの口から処分という言葉は出てきませんでした。
そして、ペットのお家を通じて、お問い合わせを頂いたのです!お電話でお話しさせていただくと、お若い方ですけれど、誠実で深い愛を感じました。台風の影響のある中県外から倉敷保健所へ面会に来てくださり、数時間かけてフジ子ちゃんと向き合って下さいました。そして写真を何枚も撮られ、そのお写真を見ながらご家族で話し合いをされ、その日の夜に「是非我が家にお迎えしたいと思います。」と御連絡を受けました。また、保健所の職員さんたちも特別措置を講じて下さいました。通常譲渡審査が必要なケースですが、再度保健所までお越し頂き、「首輪つけ、リードつけ、バリケン収容のハンドリンテスト」を受けて頂かなくても良いこと、日曜日にお迎えをとの御希望から、私が保健所から引き出して日曜日に我が家までお越しいただくことでの譲渡で大丈夫ということになったのです。
フジ子ちゃん、昨日保健所にお迎えにあがりました。首輪つけ、ワイヤーつけ、バリケン収容、なんとも簡単に行きました。脱糞やお漏らしもなく、凄く落ち着いていて、やはりフジ子ちゃんは元飼い犬だったんだろうと思われます。バリケンの中から職員さんと御別れの挨拶です。職員さんの中で特にフジ子ちゃんのことをずっと案じておられたお姉さんがその時犬部屋までお越し下さってバリケンの中のフジ子ちゃんに話しかけられました。「幸せになるんだよ・・」声を詰まらせ、目に涙が光ります。「ずっとフジ子ちゃんのことが心配で、でも私が迎えてあげられないし、御縁を頂けなかったら・・って思っていましたから・・」こうして、優しい職員さんたちに見送られ、ひとまず我が家向かって出発です。
1時間のドライブも問題なく過ごせ、無事到着。またまた我が家の愛犬Edは新しいお友達に興味津々で御挨拶。でもフジ子ちゃんにストレスがかからないようにという配慮も理解してくれ、見守っていました。ご飯は保健所と同じフードを準備してみましたが、食欲旺盛なフジ子ちゃん、あっという間に平らげます。一か八か、シャワーもしてみましたら、温かいお湯に気持ち良さそうに目を細めていました。少し体の瘡蓋がはがれおちて行って、きっと飼い主さんのお宅に行ってもシャンプーがうまくいくと安心しました。
さて、今朝、フードをシェルターにしているテーブルからかなり離して置いてみたのですが、出てきてパクパク食べました。さらに、お部屋の中をちょっと探検、Edとは鼻ツン挨拶です。フジ子ちゃん、かなり人との距離が近い子です。Edもなんだか嬉しそうです。
吠えることもなく、物静かで、どこかしら品さえ漂わせている可愛いフジ子ちゃん、明日、終生のお家へ旅立ちます。皆さまのたくさんの応援と、保健所の職員さんの熱意と、すばらしい里親さまの愛によって消えかかっていた一つの命がまた輝こうとしています。
取り急ぎ、感謝をこめて、レポートを書かせていただきました。


