食道裂孔ヘルニア、人間への恐怖と向き合う老犬ソル
飼育放棄により保護された老犬ソルは、人に対して強い警戒心を示す状態でした。 保護主さんの献身的なケアを通じて少しずつ変化を見せる一方、食道裂孔ヘルニアなどの疾患も判明し、継続的な体調管理が必要となっています。 心と体、両方のケアを続けながら、ソルのペースで寄り添ってくださる家族と出会うまで、ウェルカムチャレンジで支援してまいります。
極端に怯えるソル
飼育放棄により保護されたソル。保護当初は、とても強い警戒心を示していました。自分から人に近づくことはほとんどなく、身体に触れようとすると大きくビクッと反応し、特に頭に手を伸ばされることを極端に怖がります。また、人の視線があるだけで緊張してしまい、食事もなかなか進みませんでした。
一方で、犬に対しては興味を示し、フレンドリーに近づいていく様子も見られました。そのことから、人との関係にだけ、深い恐怖心を抱えていることが伝わってきます。
少しずつ見せてくれた変化
最初は、一歩近づくだけで後退りしていたソルですが、今では、手を下から静かに差し出し顎の下にそっと触れると、次第に力を抜き、リラックスした表情を見せてくれるようになりました。逃げることもなく、自分からゆっくり近づいてきてくれる場面も増えています。

身体は大きいものの、性格はとても穏やかで優しいソル。怖がりではありますが、人に対して攻撃的な様子は一切ないため、ソルのペースで、ゆっくり時間をかけて信頼関係を築ける方と相性が良いのではないかと、保護主さんは感じています。
食道裂孔ヘルニアが判明
保護後の受診で、肝臓に今後腫瘍になる可能性がある影が見つりました。腫瘍化の有無を見極めるため、今後も定期的な検査が必要とされています。さらに、詳しく調べるためレントゲン検査を行ったところ、食道に異常が見つかり、全身の検査の結果、食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニアと診断されました。
食道裂孔ヘルニアは、横隔膜の食道を通る穴から胃の一部が胸腔内に飛び出してしまう病気で、逆流性食道炎や嘔吐、食欲不振を引き起こしやすくなります。そのため現在は、消化によく、胃に負担がかからない食事を心がけながら、体調管理を続けています。

また、ソルは少なくとも10年以上、病院にかかっていなかったことが分かっています。短いリードで長期間つながれていた環境や、人に強く怯える仕草から、過去に大きなストレスや恐怖を受け続けてきた可能性も否定できません。
ソルのペースで歩める家族を探します
現在のソルは、食欲旺盛で必要量のフードを、人の目の前で一度に完食できるようになりました。表情も少しずつ柔らかくなり、大好きなお散歩では、1日2回、約40分ほど、15歳という年齢を感じさせないほど元気に歩いています。

怖がりな性格のため、最初から積極的なスキンシップを取ることは難しいかもしれません。それでも、時間をかけて向き合ってくださる家族が見つかるまで、ウェルカムチャレンジで支援を行います。
健康上の理由、経済的な理由、災害などにより、止むを得ずペットを飼育できなくなるという事態は、誰にでも起こり得ます。その時、ペットが高齢であったり持病を持っていたら、里親はなかなか見つからず、飼い主もペットも途方に暮れることになるでしょう。
ですから、難しい状況のペットでも温かく引き受けてくださる保護団体を「みんなで支えること」。また、不遇のペットを愛情を持って迎え入れてくださるご家庭が増えるように「みんなで里親文化を育くむこと」。ペットを犠牲にすることのない、持続可能なペット文化を実現するには、これらの取り組みが欠かせません。
私たちの目標は、保護をしてくださっている災害時ペット捜索・救助チームうーにゃんの負担を軽減し、ソルが必要とするケアを続けながら、ソルに新しい家族を見つけることです。皆さまのサポートに心より感謝申し上げます。
チャレンジ運営事務局