重い先天性心疾患を抱える子猫のひので
ある日、店舗の前に4頭まとめて捨てられていた子猫たち。そのうちの1頭、ひのでは体が小さく、検査の結果、生まれつき心臓の構造に異常があることがわかりました。突然死のリスクを抱えながらも懸命に生きるひので。ウェルカムチャレンジでは、ひのでが必要な治療を受け、穏やかに過ごすことのできる温かい家族が見つかるまで、医療費の支援を行ってまいります。
小さな違和感から見つかった重大な疾患
保護された4頭のうちの1頭、ひのでは、里親募集のための写真撮影のときから「少し体力がない」と感じられる子猫でした。抱っこをするとゴロゴロと喉を鳴らすものの、振動がどこか不自然で、呼吸数を測ると70回/分。肺炎を疑った保護主さんは、すぐにかかりつけの病院を受診しました。

診察の結果、「重度の心雑音」が見つかります。主治医によると、左心室が腫れ上がっているように見えること、大動脈が通常よりも細い可能性があるとのこと。もしそうであれば、高度医療センターでの精密検査や外科的処置が必要になるかもしれません。ただ、その診断を確かめるためには高額な検査費が必要で、保護主さんは現実的な選択に悩みました。それでも「原因がわからなければ何も判断できない」との思いで、ひのでの小さな命を守るため、検査に踏み切ることを決意しました。

高度医療センターで明らかになった真実
長時間の検査の結果、心臓の位置が通常とは反対側にある「全身逆位(ぜんしんぎゃくい)」の可能性が高いことがわかりました。さらに、心臓内部の筋肉の一部が異常に発達し、血流の通り道を狭めてしまう「大動脈狭窄(だいどうみゃくきょうさく)」も確認されました。その影響で、心臓内の血流は強く渦を巻くように流れ、肺に水がたまりやすい「肺水腫(はいすいしゅ)」を起こすリスクがあるとのことです。

医師によると、ひのでの心臓には本来ないはずの筋状の組織が中隔壁(左右の心室を隔てる壁)に張り付き、それが大動脈を引っ張るようにして狭窄を引き起こしている可能性があるとのこと。そのため、外科的な切除は現実的に難しく、肺水腫を予防するための利尿剤などの投与も腎臓への負担を考慮しながら慎重に判断していく必要があります。ただ、心拍数や呼吸の安定が見られたため、「まずは1ヶ月後に再検査を行い、成長とともに状態を見極めましょう」との方針が示されました。また、この状態でも、本人が元気であれば安静を続ける必要はないと医師からの言葉もあり、保護主さんは少しだけ肩の力を抜くことができたそうです。

命をつなぐために
ひのでは食欲にむらがありながらも、少しずつ体重が増えています。ヒーターの上で休むことが多いですが、気が向くと保護主さんの膝の上によじ登ってじゃれたり、兄妹たちと走り回ったりする姿も見られます。食後は呼吸が速くなるため、静かに体を休めながら穏やかに過ごしています。
生まれながらにいくつもの困難を抱えながらも、一生懸命に生きる小さな命。ウェルカムチャレンジでは、ひのでが適切な治療を受けられるよう医療費を支援し、安心して新しい家族と出会えるまでサポートしてまいります。
健康上の理由、経済的な理由、災害などにより、止むを得ずペットを飼育できなくなるという事態は、誰にでも起こり得ます。その時、ペットが高齢であったり持病を持っていたら、里親はなかなか見つからず、飼い主もペットも途方に暮れることになるでしょう。
ですから、難しい状況のペットでも温かく引き受けてくださる保護団体を「みんなで支えること」。また、不遇のペットを愛情を持って迎え入れてくださるご家庭が増えるように「みんなで里親文化を育くむこと」。ペットを犠牲にすることのない、持続可能なペット文化を実現するには、これらの取り組みが欠かせません。
私たちの目標は、保護をしてくださっている特定非営利活動法人せぴうるにゃんの負担を軽減し、ひのでが必要とするケアを続けながら、ひのでに新しい家族を見つけることです。皆さまのサポートに心より感謝申し上げます。
チャレンジ運営事務局