

事故か虐待か 尻尾の損傷と排泄障害を抱えるコウ
千葉県佐倉市内の道端で、大声で泣き叫びながら助けを求めていたコウ。近くの飲食店の従業員さんから残飯をもらって命をつないでいましたが、体は糞尿まみれで、ひどい悪臭を放つほどの不衛生な状態でした。その姿を見た方より相談を受け、コウは緊急で保護されました。保護当初はトイレが覚えられない子かと思われていましたが、実は尻尾の付け根に損傷があり、排泄の神経に障害があることが判明。排尿には介助が必要で、通院も継続しています。それでも人が大好きで、膝に乗って甘えるのが大好きなコウ。特別なケアを必要としながらも、そばに人がいてくれることを求めているコウに、温かな家族が見つかるまで治療費のサポートをしてまいります。
大声で助けを求めていたコウ
千葉県佐倉市内の一般の方から、道行く人にすがるように鳴いている猫がいるとの相談を受け、ボランティアさんが現場に駆けつけました。 そこには、ひどい悪臭を放ち、大声で泣き叫びながら足元にまとわりついてくる猫の姿が。それがコウでした。コウは、近くの飲食店の従業員さんがこっそり残飯を与えてくれていたことで、なんとか命をつないでいたようです。コウは、そのひどい状態から緊急で保護されることとなりました。3回体を洗っても匂いが落ちないほどの汚れで、相当な期間、不衛生な状態で過ごしていたことがうかがえます。
足元にまとわりつき、助けを求めるコウ
保護後しばらくは、トイレの失敗が目立ったため、トイレがなかなか覚えられない子だと思われていましたが、病院でのレントゲン検査の結果、尻尾の付け根に損傷があり、神経が圧迫されていることが判明しました。半身不随ではなく歩行は可能ですが、排泄のコントロールができず、常に垂れ流しの状態となっています。特に排尿は自力で行えず、圧迫排尿や尿道カテーテルによる排尿管理が欠かせません。最低でも2日に1回の通院が必要な状況です。
元飼い猫だった可能性も
去勢手術済みにもかかわらず耳カットはなく、幼少期に去勢されたと思われる歯の状態などから、コウくんはかつて飼われていた猫だったと推測されます。尻尾の損傷について獣医師は「交通事故や何かに挟まれたことが原因」と説明しましたが、保護主さんは「人に尻尾を引っ張れて傷つけられた可能性もあるのでは」と心配しています。
それでも人が大好き
そんな過去があったとしても、コウは今でも人が大好きな甘えん坊。膝に乗ってほっぺをスリスリしたり、顔をかいてもらうのが大好きで愛嬌もたっぷりです。虐げられてきた過去があったかもしれませんが、それでも人を信じて甘える姿からは、コウの強さと優しさが感じられます。
毎日のケアが必要です
現在、便は自然に出てくるものをオムツで受け止めていますが、尿は圧迫排尿またはカテーテルが必要です。排尿時には保定が必要なため、2人体制での介助が望ましいとされています。また、部分的な洗浄やお尻への塗布薬、オムツの交換など、毎日のお世話も欠かせません。オムツを嫌がってかじってしまうため、現在はエリザベスカラーを二重に装着して対処しています。今後は、よりストレスの少ない方法を模索していく予定です。
コウに寄り添ってくれる家族を探しています
コウは歩行や低めの段差のジャンプは問題なく、ある程度の段差も上れます。高齢の猫やおっとりした先住猫であれば同居も可能で、1匹飼いでも環境に応じて生活することが可能です。特別なケアが必要ではありますが、それ以上に人懐っこく明るい性格がコウの魅力です。ウェルカムチャレンジでは、コウの甘えたい気持ちも、毎日の特別なケアも、まるごと受け止めてくれる家族が見つかるまで、継続的な支援を行います。
健康上の理由、経済的な理由、災害などにより、止むを得ずペットを飼育できなくなるという事態は、誰にでも起こり得ます。その時、ペットが高齢であったり持病を持っていたら、里親はなかなか見つからず、飼い主もペットも途方に暮れることになるでしょう。
ですから、難しい状況のペットでも温かく引き受けてくださる保護団体を「みんなで支えること」。また、不遇のペットを愛情を持って迎え入れてくださるご家庭が増えるように「みんなで里親文化を育くむこと」。ペットを犠牲にすることのない、持続可能なペット文化を実現するには、これらの取り組みが欠かせません。
私たちの目標は、保護をしてくださっているねこ窓ハウスの負担を軽減し、コウが必要とするケアを続けながら、コウに新しい家族を見つけることです。皆さまのサポートに心より感謝申し上げます。
チャレンジ運営事務局