

胆石を抱え、継続的な治療が必要な被災猫はらちゃん
被災地で保護されたはらちゃんは、保護当初から体調が優れず、血液検査では腎臓の数値が高かったため、腎臓病の疑いがありました。療養食への切り替えで数値は改善したものの、体調が戻らず、エコー検査を行ったところ、大きな胆石が見つかりました。現在は投薬により体調は安定しており、胆石の手術については様子を見ながら検討していく方針です。ウェルカムチャレンジでは、継続的な治療にかかる医療費およびはらちゃんのすべてを受け止めてくださる温かい家族との出会いを支援します。
被災地で保護される
はらちゃんは、被災地に設置されたボランティアキャンプ場の近くで、ご飯をもらいながら過ごしていました。しかし、ボランティアの方々が帰宅すると、十分な食事が得られなくなることから保護の相談が寄せられ、2024年9月、冬を前に保護されました。保護当初は体調が優れず、すぐに里親募集を行える状態ではありませんでした。
原因不明の体調不良と胆石の発見
保護直後の血液検査では腎臓の数値が高く、腎臓病の可能性が疑われました。療養食に切り替えたことで腎臓の数値は安定しましたが、それでも体調は改善しないため、エコー検査を実施。その結果、胆のう内に5mmという猫には珍しい大きさの胆石が見つかりました。
胆石が体調不良の原因ではないかと考えられ、胆のうの炎症を抑えるために抗生剤とステロイドによる治療を継続することに。
セカンドオピニオンとその経過
その後、はらちゃんは別の動物病院で再診を受けました。診察の結果、胆石は引き続き確認されましたが、胆のう内に炎症は見られず、細菌感染も確認されませんでした。また、血液検査の数値も改善傾向にあり、体調は安定しています。体重も保護当初の3.3kgから3.65kgに増加し、食欲や活動量も落ち着いており、日々元気に過ごしています。現在は、処方されたステロイドと抗生剤の服用を継続しながら、良好な状態を維持しています。また、慢性膵炎やFIP(猫伝染性腹膜炎)の可能性についても検討されましたが、現時点ではいずれも確定には至っておらず、今後の経過を慎重に見守っていく方針です。
胆石の摘出手術については、現時点では必須ではないとの診断を受けていますが、今後の体調の変化によっては、手術を検討する可能性もあります。
穏やかでやさしい家族になれる猫
はらちゃんは、とても穏やかで優しい性格です。人にも猫にもフレンドリーで、新しい環境にも比較的早く馴染むことができます。お迎え初日から家族として迎えられるような、落ち着いた魅力を持ち、猫同士とも問題なく過ごしているので、多頭飼育のご家庭でも安心してお迎えできるでしょう。
手術を含め、一緒に考えてくださるご家族へ
今後、手術を行うかどうかは、体調を見ながら慎重に判断していく予定です。保護主さんは、はらちゃんの健康と生活を一緒に考えてくださるご家族とご縁がつながればという思いから、里親募集をスタート。大きな手術を選択するかどうかに関わらず、はらちゃんの毎日が穏やかで、幸せなものであってほしい、と保護主さんは願っています。
健康上の理由、経済的な理由、災害などにより、止むを得ずペットを飼育できなくなるという事態は、誰にでも起こり得ます。その時、ペットが高齢であったり持病を持っていたら、里親はなかなか見つからず、飼い主もペットも途方に暮れることになるでしょう。
ですから、難しい状況のペットでも温かく引き受けてくださる保護団体を「みんなで支えること」。また、不遇のペットを愛情を持って迎え入れてくださるご家庭が増えるように「みんなで里親文化を育くむこと」。ペットを犠牲にすることのない、持続可能なペット文化を実現するには、これらの取り組みが欠かせません。
私たちの目標は、保護をしてくださっているこねこサポーターの負担を軽減し、はらちゃんが必要とするケアを続けながら、はらちゃんに新しい家族を見つけることです。皆さまのサポートに心より感謝申し上げます。
チャレンジ運営事務局