大脳低形成と中耳炎を抱えるつきまろ
2024年9月、動物愛護センターで殺処分の対象になっていたところを保護されたつきまろ。保護後の診察で、大脳低形成と中耳炎を抱えていることが判明しました。大脳低形成の影響で幼い猫のように天真爛漫で甘えん坊なつきまろですが、一緒に生活するには食事の管理やおむつの使用、いたずら防止の工夫が必要です。特別なケアが必要なつきまろを見守り、愛情を持って全てを受け入れてくださる家族が見つかるまで、ウェルカムチャレンジでサポートします。
「様子がおかしい」ため保護される
2024年9月に動物愛護センターよりレスキューされたつきまろ。センターでは殺処分対象猫に分類されていました。 愛護センターより「その場で排泄し、そこに転がってしまう、何か分からないが様子がおかしい」と言い渡されたため、レスキュー後に動物病院で診察を受けたところ、大脳低形成(大脳発育不良) と両側鼓室包(中耳)に炎症の液体貯留(=中耳炎)と診断されました。
大脳低形成は、大脳の発育不良により認識力や記憶力の低下、行動異常が見られ、感情的で本能的・反射的なことに敏感になります。中耳炎は、現在は症状の進行は見られませんが、悪化すると眼振や首の傾斜が出る可能性があり、さらに進行すると治療が困難になります。大脳低形成は先天的なものなので治療法はありませんが、中耳炎の治療法としてまずは、抗生剤(アモキクリア半錠を1日2回、眼軟膏を1日3回)を3か月継続し、30日ごとの投薬と診察で経過を観察しています。
子猫のような性格の持ち主
つきまろは、天真爛漫で甘えん坊の性格です。初めて会う人にも全く警戒せず、触ったり抱っこしたりすることも可能です。大脳低形成により、行動は幼齢の猫とほとんど変わらず、幼い猫のように、何かが気になると納得するまでやり続ける特徴があります。
つきまろとの生活には工夫が必要
つきまろは、本能的な行動しかできないため、食べ過ぎ防止のためにフードを定量しか与えない、排泄した場所で寝てしまうこともあるため、おむつをする、つきまろがいたずらしてしまいそうなものはきちんと片付ける、など生活には工夫が必要です。そのため、つきまろを注意深く観察し、いたずらをしても寛大に受け入れ、つきまろ1匹を大切に可愛がってくれるような前向きな方に里親になってほしいと保護主さんは願っています。
健康上の理由、経済的な理由、災害などにより、止むを得ずペットを飼育できなくなるという事態は、誰にでも起こり得ます。その時、ペットが高齢であったり持病を持っていたら、里親はなかなか見つからず、飼い主もペットも途方に暮れることになるでしょう。
ですから、難しい状況のペットでも温かく引き受けてくださる保護団体を「みんなで支えること」。また、不遇のペットを愛情を持って迎え入れてくださるご家庭が増えるように「みんなで里親文化を育くむこと」。ペットを犠牲にすることのない、持続可能なペット文化を実現するには、これらの取り組みが欠かせません。
私たちの目標は、保護をしてくださっているボランティア ねこ活の負担を軽減し、つきまろが必要とするケアを続けながら、つきまろに新しい家族を見つけることです。皆さまのサポートに心より感謝申し上げます。
チャレンジ運営事務局