君がまだ知らない「好き」を見つけよう

大将を迎えられた中村さん

約3年前に ペットのおうち®︎ で大将に出会った中村さん。保護犬を家族として迎え入れたストーリーをおうかがいしてきました。※年齢や情報は取材時。

取材・文 金子志緒 撮影 尾崎たまき

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左から大将(オス・7歳)、中村さん

生まれて初めて遊んだおもちゃは猫じゃらし

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大将は犬なのに猫じゃらしが好きなんですね。

中村さん 迎え入れたばかりのころの大将は、おもちゃを見せても遊び方がわからないようでした。どうすれば楽しみを見つけられるんだろうと悩み、あるときたまたま猫じゃらしを見せたら興味津々に追いかけて来てくれて、散歩中に公園でも遊べるようになりました。家では私がボールを追いかけて一人で盛り上がっているのを見せると、「何だろう?」と気になったらしく、一緒に遊んでくれるようになりました。大将に好きなものが少しずつ見つかってきて安心したのを覚えています。

遊び方を教えるところから始めた、中村さんのやさしさを感じます。

中村さん 最初はごはんやおやつの好物もありませんでした。自分で世話をする初めての犬だったので、ドッグトレーナーさんのカウンセリングも受けましたが、「好物がなければトレーニングは難しい」と言われてしまうくらいでした。でも「おいしいものは犬生の豊かさにつながる」という一言が心に残り、まずは大将の好物を探すことにしたんです。ドッグトレーナーさんや近所の方がくれた馬肉や鶏肉のジャーキーをおいしそうに食べているのを見て、硬めのお肉系のおやつが好きだとわかってから、最初のハードルをクリアした気分になりました。ごはんも選び直したらモリモリ食べてくれて「おいしい」って。実際はしゃべっていないんですが(笑)。でも表情や食べ方でわかりますよね。

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好物が見つかったおかげで、大将の犬生がどんどん豊かになっていますね!

中村さん 遊び方もわからず、好物もなくてただ生きているだけ、みたいな感じなのを何とかしたかった。好きなことや楽しいと感じてくれることが増えたらいいなと思い過ごしていましたが、いつからか友達と一緒に歩くとか、キャンプに行くとか、いろいろなことができるようになりました。好物をごほうびに使えるようになってからは毎日、コミュニケーションやお互いの勉強も兼ねてトレーニングの時間を作るようにしています。

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教えるのが難しかったことはありますか?

中村さん 初めの頃は、少し家を空けると鳴いたり窓を引っかいたりしていたので、どうしよう......と思っていました。そこで、家を出て30秒で帰る、1分で帰る、3分で帰る......とちょっとずつ時間を伸ばすというトレーニングを続けました。3、4か月ほどで私が必ず帰ってくることがわかってくれたようで、今では3時間ぐらいの留守番では出迎えてくれません。寝転がったまま顔だけこちらに向けて「おかえり〜」みたいな(笑)。

子どもの自分が抱いた疑問は「みんな同じ犬なのに」

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犬を迎え入れる際に保護犬を選んだ理由を教えてください。

中村さん 子どものころに出会った野良犬たちを迎えられなかったことが、心に引っかかっていたのは大きいかもしれません。父は飼うなら血統書付きの柴犬というこだわりがありました。「お父さんは犬を飼いたいって言うのに、なんでこの子じゃだめなの?」と泣きながら訴えたことを覚えています。私にとっては血統書付きの犬も野良犬も同じ犬だったので、目の前にいる子を引き取れない理由がわからなかった。いつか犬を迎えるなら保護犬の里親になろうと思いながら、時間が経ってしまいましたが......。

里親になるにあたり、ハードルを感じることがあったのでしょうか?

中村さん コロナ禍をきっかけにリモートワークが増えたときに、保護犬を迎えるタイミングかなと。運よく見つかったペットケアサービス付きの物件に引っ越した後、命を引き取る覚悟を決めるのに4か月かかりました。自分は迎えた子を最優先にしてちゃんとがんばれるのかな、とか。自問自答を繰り返しました。

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自分の責任で引き取る初めての犬ですから、いろいろと考えてしまいますよね。

中村さん 私が子どものころには父が選んだ赤柴(赤毛の柴犬)の影丸を飼っていましたが、実はあまり関わりを持てなくて......。部活に夢中だったこともありますが、朝の散歩を担当するくらい。どんな子だったかなと振り返ってみても、言語化できないんですね。今さらですが、影丸に申し訳ないと思います。

でも犬との暮らしを想像したとき、頭に浮かんだのは影丸に似ている犬でした。自分が知っているサイズ感なら、初めてでもお世話しやすいかなと考えたんです。生い立ちがわからない子犬を迎えたら予想以上に大きくなるかもしれないから、物件は念のため大型犬可を選んで(笑)。

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中村さん 私なりに万全に整えてから、ペットのおうち®︎ で保護犬を探し始めました。見やすいデザインは信頼性につながると思っているので、サイトもアプリも洗練されている ペットのおうち®︎ はメンテナンスやセキュリティがしっかりしていると感じ、安心して利用できると思いました。しかも新着情報に出ていた黒柴(黒毛の柴犬)の大将にすぐ出会えて、タイミングもぴったりでした。繁殖所の崩壊によりレスキューされたそうで、推定3〜5歳との記載がありました。一度三重県まで電車でお見合いにうかがい、後日正式に譲渡希望の連絡をして、車で迎えに行きました。

"犬生"3周目かと思うほど会話ができて達観している

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しっかり準備をしていたと思いますが、大変だったことがあったのか気になります。

中村さん 最初は、触ったりなでたりすることが難しかったので、拭いてあげることもできずしばらく獣臭と共に暮らしました(笑)。一度嫌な思いをするとずっと苦手になってしまうと思ったので、初めてのシャンプーはプロの方にとお願いしてみたのですが、フィラリア症(犬糸状虫が心臓などに寄生する感染症)陽性の大将のあまりの嫌がりように、「心臓に負担がかかり危ない」という理由で断られてしまいました。なでさせてもらえるようになったころ、散歩後のウェットタオルが日課になり、シャンプーの代わりにドライシャンプーで乗り切り、フィラリア症が陰性になったころに初めてシャンプーができました。

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病気を抱えている大将を引き取ることに不安はなかったのでしょうか。

中村さん フィラリア症のことを調べて、向き合うことのできる病気だと覚悟したうえでお迎えを決めていました。ただ、大将に薬を拒否されたときには困りました。うちに来て間もないころに薬を飲んだ後に吐いてしまい、「一服盛ったのではないか」と私に不信感を持ってしまったようで、ごはんさえも食べなくなってしまったんです。

でも、涙ながらに「薬は大将にとって絶対に必要なものなんだよ」と訴えたら、薬もごはんも口にしてくれるようになって。ちゃんと伝わるんだなと思いました。

まるで会話ができているようで、コミュニケーションが楽しくなりそうです。

中村さん 散歩のときに大将が行きたい方向と逆に進もうとすると、"拒否柴"にはならないんですが牛歩になります。行き先は大将に任せてもいいけれど、危ないときもあるので、「そっちは危ないからダメなんだよ」と大将の思うとおりにできない理由を説明すると、「そうなんだ」と納得してついて来てくれるから不思議ですよね。こういうところは達観していて、たぶん犬生3周目くらいなんじゃないかなと勝手に思っています(笑)。

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大将という貫禄のある名前がぴったりでしたね。

中村さん 初めて会ったときにおびえていたので、自信を持てる強そうな名前にしようと思ったんです。将軍やあるじという名前も候補でしたが、人前で気軽に呼べる「大将」に決定。ドッグトレーナーさんのYouTubeを視聴して、自分なりに安心できる環境の整え方も学びました。保護犬じゃなかったらそこまで考えられてなかったかもしれません。

これから保護動物を迎える方にお伝えしたいことをうかがえますか。

中村さん 子どものころの私は野良犬や子犬を育てる大変さをわかっていなかったので、野良犬の子を引き取れなかったことも今では納得しています。「かわいそうだから」と無理して迎えるのではなく、この子となら楽しく暮らしていける、幸せにしたいと感じる子がいるはずです。多くの人が、そういう子と出会えるようになるとうれしいなと思います。

取材・文 金子志緒 撮影 尾崎たまき

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