少しずつ、恐怖の記憶をほどいていくケイ

不安症や偏食に向き合いながら、たくさんの人に支えられて

18年連れ添った先住犬を見送ったあと、心に空いた穴を埋められずにいたYさん。 気持ちを切り替えるためにいろいろ試す中で、どんな自由よりもペットと暮らす日々の方が幸せだと気付いたそうです。 保護活動を支えたいという思いから寄付を続けるうちに、ペットのおうち®︎ を知りました。そして、「私が里親になることで救える命があるなら」とYさんは思うように。 そんなときに出会ったのが、ケイです。保護場所が実家の近くで、かつて愛犬と出会った場所と同じ地域だと知り、運命を感じたといいます。

取材・文 ペットのおうち®︎ 編集部

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お迎え当初のケイは不安症で落ち着かず、動物病院に通う日々が続きました。初めて自宅でヘソ天で眠ってくれた夜、Yさんは「やっと安心してくれた」と涙がこぼれたといいます。偏食もひどく、食べられるフードを見つけるまで何種類も試した結果、今ではお肉が好きになり、果物や野菜も種類によっては口にするようになりました。

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ケイはもともと繁殖犬として過ごしており、ブリーダーの方が亡くなったことをきっかけに保護され、長い間、どんな環境で暮らしていたのかもわかりません。慣れない生活に戸惑う様子も見られ 、不安症の影響でお腹を壊したり、トイレトレーニングに半年ほどかかったりと、落ち着くまでには時間がかかったそうです。また、男性や大きな音に敏感に反応し、恐怖から家族に噛み付いてしまうこともありました。それでも獣医と相談しながらサプリメントや行動療法を取り入れ、刺激となる状況を避ける工夫を重ねていくうちに、徐々に落ち着きを取り戻しています。

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悩みや不安の多い日々の中でも、専門家や周囲の人たちに支えられながら、ケイとYさんは少しずつ信頼関係を築き、共に乗り越えてきました。Yさんは、譲渡条件が厳しいのは犬と人の両方を守るためだと考えています。環境を整えて覚悟を持っていても、想像以上に大変なことは多く、だからこそ、ひとりで抱え込まずに専門家や理解のある人を頼りながら、その子のペースに合わせて向き合うことが大切だと感じているそうです。

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支え合いながら暮らす3年目の今、ケイは表情も穏やかになり、安心できる家族のもとで穏やかな日々を送っています。

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取材・文 ペットのおうち®︎ 編集部

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