保護活動者と里親希望者はお互いの事を良く知らない人もいる。
お互いに偏見を持っている場合もあるかも知れない。
私は野良猫を迎えたから、保護活動や個人で出来ることを一生懸命されている人を尊敬している。
でも、そんな人ばかりではなく態度が上から目線だと言われる人もいるし、日頃の鬱憤を晴らすようにボランティアや団体を貶す人もいる。
野良猫を迎えてから、外で暮らす子、殺処分が減って欲しい、うちの子みたいにゆっくり暮らして欲しいと思って保護活動に関心を持った。
立場が違ってもお互いの目的は一緒だし、望んでいる世界も一緒だと思うから、理解しようとする姿勢がお互いに大切だと思う。
ふたつとも大きな括りだけど、色々な人がいる。
里親希望者に配慮やプライバシーの保護を心がけて接している人、動物のためならモラルが欠如した態度をとる人、身分の詐称や嘘の申告をして保護主を騙す人、動物を取り巻く福祉や現実を知り里親やボランティアに名乗り出る人。
誰しも一定以上の情報を渡すのは抵抗がある。
でも、どちらも相手が敵なのではなく、皆んなが憤りを感じたり、迷惑をこうむっているのは一部の保護主を騙してまで動物を奪おうとする人のせい。
お互いにとって共通の敵なのだから、争う必要なんかない。
むしろ堂々と撲滅してやろうという気持ちでお互いに身分を明かし、お互いに安心して契約できるようにコミュニケーションはしっかりとる。
不安な思いは言葉でしっかりと伝え、それでも自分の情報を渡すこと、動物を託すことが不安だと感じるならその人とは縁がなかったのだと思えばいい。
別に里親だけが道じゃない。
支援の形は色々で、お金での支援もボランティアでの支援もあるから。
お迎えはペットショップでもブリーダーからでもいいと私は思う。
私は別に動物達の現実を知ってもペットショップやブリーダーがなくなれとは思ってない。
飼う側のモラルや意識が変わればあったって困らない。
問題は飼う側のモラルや意識が低すぎること。
現実に条件を満たせないことは多々あるし、ペットショップやブリーダーの子も既に生まれた子達。
日本の法律では認められていないけど、尊重されるべき命であり、個々の権利は持っている。
大勢の未来も大事だけど、目の前の子達は一人一人が一匹でも救えば確実にその子の未来は変わるし、周りの人の意識も少しずつかも知れないけど変わるかも知れない。
ペットショップから買わないで欲しいと言う保護団体や活動者がいるけど、じゃあその子達はいつまでその状況が続くのか。新しい法が出来るまで?重くなった虐待の法もまだ適用された事例がないというのに。
不幸な境遇になる子を減らしたいのはわかってる。
未来を見据えて動物達を大きな括りで見ているのだろうと思うけど...
でも、感情論で私の気持ちを言葉にすると堕胎を選択したり、子猫ばかり保護したり、ペットショップの裏側にいる子達の状況はどうなのかと憤りを感じることがある。
ペットショップから買う人達はそもそも譲渡条件が合わない人達や手軽に買えるという点でモラルが低い人達もいると思う。
譲渡条件を守れない人、合わない人と契約なんて出来ないだろうし、モラルが低い人はファッションだったり、SNSのためやぬいぐるみ感覚でいる人もいるだろう。
厳しい道のりだけど仲間を増やして、法を変えるしかない。
動物も人間と同じように命あるもので私達もそれに支えられているのだから、私達以外の種を蔑ろにする社会であってはならないといつも思う。
他にも、保護活動者や団体に悪いイメージを持ってしまって意図的に避けるようになった人もいるかも知れないけど、この人達はこれから対応や態度を改善していけば減っていくと思ってる。
ネットや周囲の噂で勝手な思い込みをしている人もいる。
自分が判断するのに十分な情報がないのに。
自身が経験して苦い思いをしても、大半の人がそれだけが全てじゃないことは分かると思う。
自分と関わったひとりがそれは本当に動物のためだろうか?と思うような態度や飼育法をしている保護活動者や団体でも全ての人に当てはまるわけじゃない。
ましてや、ネットの情報や個人のレビューを鵜呑みにして考えを偏屈させてしまうのはおかしい。
自分が同じ人に接してみて同じように感じるかは分からないし、書いた人は匿名性を利用して悪意を持ってイメージダウンを図っているのかもしれない。
もしかしたら、他意はなくとも伝え方などで結果的にイメージダウンに繋がることで、動物達の行き場を減らしているかもという自覚が薄い人もいるだろう。
文句をいうだけでは進めない。
自分の思う改善案や歩み寄りの方法があるなら、声に出していくべきだし、保護団体や活動者もそれは知りたいと思うはずだ。
高齢や単身不可の条件やその他の条件も同じだが、保護団体や活動者も啓発やこれから里親になりたい人のために何故その条件が加えられているのか、詳しい説明が必要だと思う。
里親希望者には自分が高齢や単身で里親不可と言われると自身を否定された気持ちになったり、卑屈になってしまう人もいると思うから。
でも、環境が整っている方なら高齢でも単身でも譲渡しているところもあるし、基本NGであっても例外もある。要は環境やその人の動物への考え方なのだと思う。
本当に家族にしたい子がいるなら、諦めずに
「単身や高齢で審査の場にすら立てないことは悔しい。」
「単身や高齢の何がいけないのか」
「それならここを改善すれば申し込みできますか。」
と里親側も条件だけで諦めたり、文句をいうだけではなく改善出来るところや対策を考えてみて欲しい。
そして、保護団体や活動者は自分は色々な人を見てきて何度も経験してきたことだけれど、目の前の里親希望者には自分が与える印象が全てになってしまうこともあり得ることを意識しなければならない。
飼う側は誰しも自分は大丈夫だと思うだろうけど、保護団体や活動者は色々な人と状況と手放す理由を私達より知っている。
その事実があることを念頭において、理解しようと歩み寄ろうとしていることを伝えて欲しいと思う。
何故、保護動物を迎えようとするのかもう一度考えてみることも大切。
可哀想だから?ペットショップやブリーダーよりお金が掛からないから?引き取ることで他の子も救えると思うから?本当に好きになってしまった子がいるから?
人の里親になるのも条件が凄く厳しい。
でも、それは子供が欲しい大人のためにある制度ではなく子供のための制度だから。
子供が家族の中で暮らすことは心身の成長や将来に大きな影響を与えることは分かると思う。
いい加減には決められないし、かと言って私達は子供達に対してずっと施設にいれば良いと思うだろうか?
どんな子だって、家庭で暮らすことが望ましいと分かるはず。
それが途端に動物になると、私は大丈夫なのに信用されない、条件が厳しい、それならもらう人なんかいないと嘲笑する。
誰も里親になってくれと懇願したわけじゃない。
里親を見つけたいのは、沢山動物を抱えて活動する自分のところよりも穏やかにいつも見守ってくれる家庭の方が良いと思っているから。
動物を飼いたい人のためじゃなくて、動物達のために考えて出した結論。
児相のような役割を個人のボランティアや団体が担っていると考えると分かりやすいと思う。
自分でも助けようと思うなら、何らか形で支援すれば良いし、自分で野良猫や犬を保護したり、保健所から引き出したりすれば良い。
実際には踏み止まる人が大半だ。
それでも自分のお金や時間を削って命を守っている人は本当に凄い人。
そんな人のことをよく知りもせずに嘲笑したり、こういう人だ!と決めつけたり、間違えているかも知れない情報を流したり、自分勝手な自論を展開させるのはただの妄言だと私は思うから、自分が責任を持って判断をするべきだと思う。
情報は自分に都合の良い部分だけを切り取ったり、都合の良い人の意見だけを頭に入れるんじゃなくて、疑いがでたら確かめるとか、実際に体験したりして他人が言うからではなく、自分の考えをしっかり持って関わっていくと動物達を取り巻く環境も少しずつ変わっていくんじゃないかと思ってる。