- 登場ペット:
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我が家のじっちゃん猫、カラスくんは19年前の今日、うちの子になった。
うちの子、と言っても、引っ越しを3回して家は変わってきているので
わたくし自身の人生という旅に参加して19年目、というところか。
実はこの子はまだ4~5ヶ月の時に、マンションの6階から落ちたことがあるのだ。
それはうちに来て2ヶ月たっただろうか、当時私が博多のマンションの6階に
住んでいた頃のことだ。マンションの6階ともなると、真夏以外は窓を開けて
いても結構涼しく、その日も窓を開けていた。
窓の高さは1mほどもあったので、さすがにここに子猫が飛び乗ったりは
しないだろうと思っていた。
私はTVを見ていたのか、何かをしていて、開けっ放しにしている隣の部屋に
黒いかたまりがあるので、あそこにカラスがいるんだと思い込んでいた。
しばらくしても、そのかたまりは全然動かずそこにじっとしているので、
よく見てみると、それは私の黒い服が丸めて置いてあるだけだった。
えっ?、じゃあカラスはどこにいるんだろう。と、部屋のあちこちを探したが
どこにもいない。しまいにはタンスの引き出しや天袋を開けたり、冷蔵庫まで
開けてみたが、どこにもいない。
室内にいないとしたら、あの窓から落ちたとしか考えられないが、それにしても
ニャンともギャンとも言わず、ただ落ちたんだろうか・・・そう思って
窓の下を覗くが、夜の暗闇があるだけで、猫の声すら聞こえない。
その夜も翌朝も、マンションの敷地内のその窓の下あたりに行って、名前を呼んだが、
シーンとしていた。
その次の日だったかに、帰宅するとマンションの管理室からのビラが入っていた。
「1Fに黒猫がいますが、そちらの猫ではないですか」
どうも、マンションのそっち側に窓がある部屋に各階配ったらしい。
すぐに行ってみると、1Fはマンション自体の建物と塀の間が1m程度あるのだが、
ゴミ置き場になっており、波板の屋根が設置され、その上にカラスがいた。
しかし、そもそもカラスは人見知りで人間嫌いで、私にもあまり近寄らないような
猫なので、私が「おいで~おうち帰ろう」などといったところで来るわけがない。
すると、そこはマンションの駐輪場になっていて、自転車を止めに来た若い男の子が
「餌を持ってきておびき寄せたらどうか」と提案してくれ、小皿にフードを入れて
持って行ってみた。
それでもニャンニャン鳴くだけで、こっちには来ないので、その男の子が
波板は柔らかいので上には乗れないが、壁と壁の間に足と手でつっかえ歩きをして
カラスを取りに行ってくれた。
6階から落ちたのだから、足を折ったりしているのかもしれないと思ったが、
カラスは無傷だった。おそらく、波板の上に落ち、クッションになっていたのと
まだ子猫なので、足で立とうとすることもなく、お尻などから落ちたのだろう、
運の強い子だ。
2~3日して具合が悪そうなら病院に連れて行こうと思ったが、まったく元気だった。
(私の知人の猫は4階から落ちて骨折して、治療費が14万円かかったが、
結局ビッコになったと言う)
今こうして19歳を過ぎてもなおかつ、老衰に向かって生を全うしようとしている
この黒猫の生命力を物語るような出来事だった、と今思う。
カラスじいちゃんは昨年の今頃に比べて、特に変わったことはないと思うが、
より一層足腰が弱くなったかもしれない。
一度、トイレに入りかけの状態でウンチをしてしまったことがあったのと、
その後2度ほど、仕事から帰宅すると、同じようにトイレの淵から外辺りに
オシッコがしてあったが、それ以降はきちんとトイレでやってくれている。
私が幼少期から実家で飼っていた犬は老衰で亡くなったのだが、その子は
だんだん目が見えなくなり、鈍くなり、歩けなくなり、寝たきりになり・・・
と衰弱していったらしいのだが(最後の2~3年は私は実家を出ており詳しくは
知らない)、カラスもどうも、食欲より先に足が利かなくなって、寝たきりに
なりそうな気がする・・・
それで、いつそうなってもいいように、ペット用紙おむつも用意している。
あと1年、20歳まで生きるのかしら、21歳、22歳と結構長く(しぶとく)カラスの
事だから、最後の粘りが長いかもしれない(笑)