
ご無沙汰しております。
今回はマルコママの投稿です。
マルコが旅立ち3週間が過ぎました。
時の流れるのはとても早く、時間が経てばたつほ
ど失ったものの大きさを実感し、
マルコの話題が家族を賑わせています。
今回の投稿はタイトルにもあげましたが
率直に申し上げますと新しい家族(犬)を迎えました。
-経緯--
私が担当する75歳の女性患者様からの譲渡です。
ご本人に承諾を得て簡単な経緯をここに記したいと思います。
昨年から癌を患い、私の勤務する病院へ入退院を
繰り返しておられました。
基礎疾患にある心疾患の加療で私が担当をしておりこの度、緩和ケア病棟への入院となりました。
ご主人をなくされ1人暮らし
娘様が2人。
ここ九州から遠く離れた関東と東北へ嫁がれており、入院に至るまではご自宅で3歳の柴犬♀1匹と養生されていた様です。
今年に入り、ペットショップで
もう1匹♀の3ケ月 柴犬を購入
広いお庭で放し飼いにされていた様です。
今回緩和ケア病棟入院にあたり
当院はペットは家族と認定されており、緩和ケア病棟への入室が可能です。
今回、ペットとの面会を希望され、友人を介して面会する事となりました。
あまりの臭気と外観の汚染から病院サイドとしては衛生管理上、入室を許可させる事が出来ず、
駐車場での対面となりました。
面会は入院後4日目
それまでは隣人がお世話をされていた様でした(詳細は不明)
娘様が遠方という事もあり
今回この2匹を手放す事が検討されました。
その後、血統書付きの柴犬という事もありすぐに里親様が決定。
ここからは長くなりますので
省略させて頂きますが
大きな声で鳴く、噛みつく、トイレを覚えない
この3つの理由で3回に渡り返還
3歳の柴犬さんは最終的に
牧場主さんの所へ無事正式譲渡。
残った3ケ月の柴犬の子犬は帰省中の娘様が面倒を見てくれていました。
今回、行き場がなく困っているとの事で、我が家と看護師さん家族の2組が面会。
小型犬のキャリーケースに入れられており
触ろうとすると歯を剝き出し噛もうとする様子がありました。
糞尿で汚染した狭いキャリーケースの中で
衰弱は一目瞭然でした。
面会した看護師さん家族は育てられるかわからないとの事にて断念。
私も育てられるかわからない命の責任を考えると断念せざるをえませんでした。
長男から「こんな中で死ぬならうちに来て死んだ方がまだ良くない?」
この一言に背中を押された私。
死ぬ場所を選べない命
このまま何もせず死ぬ事と
精一杯な環境で死ぬ事は
最期を迎える質に大きな差があると
改めて考えさせられました。
主人と子供達ともう1度冷静に話し合っ結果、
連れて帰る事を決断しました。
譲渡にあたり一旦は保健所へ収容
放棄手付きをして8/29正式に我が家に迎え入れをしました。
もうすぐ4ケ月になろうという月齢で
体重が880g
下痢、嘔吐、歩かない
目に覇気がなく
死ぬかもしれない不安しかないこの状態で
主人とシャンプーを3回行い動物病院へ直行
脱水、腎機能、肝機能に異常をきたしており
便からは寄生虫を確認
点滴管理が必要との事にて9/2まで入院し
本日退院をして外来通院加療の運びとなりました。
衰弱はしていたものの
受診時期が早かった事もありまだまだ長い加療が必要ですが
自分で餌を食べ、歩ける様になっていました。
吠える、噛みつく、トイレをどこにでもする
確かに返還された理由通りでした。
広いサークルにオムツシートを張り詰め
静かな部屋で今は療養中です。
本日、マルコの里親様であった保護施設の方にも報告を入れました。
マルコの経験があったからこそ
人慣れしていない子の対応方法に家族全員迷いがない事
何より子供が自分なりの死生観を養ってくれていた事が
改めてマルコへの感謝で気持ちが溢れました。
そんな長男くんがまたしても命名
「はち」ちゃん
理由はあるらしいが彼の中に封印しとくらしいです(笑)
この元飼い主の方へは賛否両論な意見があると思います。
このご年齢でそのお体でどうして2匹目を迎えたの?
この件を知ってる方々から厳しいご指摘がありました。
かばうわけではありませんが、1人寂しく病魔と闘っておられた方にしかわからない心情がそこにあったんだと思います。
何を言っても最終的に無責任な対処で終結した事実は変えられません。
ただ、最後までその子達の事を心配していた彼女の思いは本物だったと思います。
人間は表向きの顔を保つ為に裏の顔を持っているものだと私は思います。
その子達の命の在り方を考える冷静さを失ってしまった彼女は
失って初めてその事の重大さに気が付いた様でした。人ってそんなものだと思います。
私は客観的に人間の弱さをそこに見た様な複雑な心境になりました。いつ自分もそうなるかわからないと・・。
まだ予断を許さない状態ではありますが
我が家での今後の成長をここで報告出来ればと思います。
よろしくお願いいたします。