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  • 2022年11月24日 | view 49
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〝アルフィ〟との出会い

居候 さん
居候 さん

《犬が与えてくれる多くのこと》
 私は犬を愛している。それ以上に私は、犬たちに魅了されており、人間と犬の関係に心を奪われている。犬はきわめて美しく、ことのほか興味深い動物だ。動物行動学のしろうと研究者の一人としても、そうでなかったとしても、私は、犬と一緒に暮らすことの報酬はその費用をはるかに上回ると信じる。その報酬と費用の計算が、生物学的知識に正確に対応しているのではないことは、動物行動学のしろうと研究者として、強く自覚している。
    (スティーブン・ブディアンスキー著『犬の科学』より)

********

先日、アマゾンの通販サイトでたまたま一冊の絵本を見つけた。
表紙の絵とタイトル〝CAN I BE YOUR DOG?〟が妙に気に入り、さっそく購入した。
イギリスからの発送なので、注文から18日かかって一昨日それが届いた。

本の表紙には〝A NEW YORK TIMES BESTSELLER〟とある。
これがベストセラー?
ページを繰っていくと…
なるほど、とベストセラーになった理由が分かった。

話の筋はこうだ:
バターナッツ通りの路地裏、雨に濡れてよれよれになった段ボール箱に住むホームレスドッグのアルフィーは飼主が欲しくてたまらない。そこで、バターナッツ通りの立派な家や精肉店、町の消防署、廃棄物処理場と、あちこちに「ボクをもらってくれないですか?」と手紙を書いて送る。
が、返ってくる答えは
「うちの猫ちゃんが犬アレルギーだから犬は飼えません」
「この前、犬をうちの店に入れてやったらミートボールがなくなったから、犬を飼う気はさらさらありません」
「救助犬のポストはすでに埋まっています」
「駄犬は失せろ!」
と、どれもそっけなく、アルフィの願いはいっこうに叶わない。

果ては一縷の望みを託して、廃屋になった空き屋に手紙を出すも、
「宛先に住人不在、差出人に返送」の赤いスタンプが押されて手紙が返ってくる。

失意に沈むアルフィのもとに、ある日、一通の手紙が届く。
手紙は冒頭
Dear Arfy,
Can I be your person?    ではじまり、

 I need a friend who will be with me no matter what: snow, rain, heat, or gloom of night.
And I see that you already know everyone on Butternut Street!
 I know you'll make a first class partner.

With hugs and head scratches,
  Mitzy Whipple
  Letter Carrier

P.S. If you agree, meet me at the big blue mailbox.    とつづく。

アルフィの投函した手紙を宛先にいつも配達してくれた郵便配達員からの手紙だ。
手紙を読むやうれしくてたまらず、アルフィの尻尾は振りはじめたらもう止まらない。
アルフィは郵便配達員のミッツィに快諾の手紙を大急ぎで届ける。

DEAR MITZY,
YOU KNOW WHAT?
MY TAIL HAS BEEN WAGGING EVER SINCE I GOT YOUR NOTE.

MY ANSWER IS: YES!!

TRULY YOURS,
ARFY

P.S. WOOF!   

まあ、話は単純だ。
これがベストセラーになるほどの内容か?
と多くの人が思うかもしれない。
が、表紙に大書されたアルフィの願望〝CAN I BE YOUR DOG?〟(ボクをもらってもらえないですか?)に対して、この絵本の著者が郵便配達員に《犬の立場と人間の立場》を逆転させて〝Can I be your person?〟と言わせたところに、この絵本が読者に伝えたい著者の真意があるのだと思うと、表紙に記された〝A NEW YORK TIMES BESTSELLER〟も頷ける。

教職にあるとき、『居候、子猫を拾う』と題した自作のフォトエッセイの表紙の写真に「子猫を拾った、と思っていた。ところが、拾った私が、拾われた子猫に、実は拾われたのではないか、最近、そんなふうに思えてきた。」とキャプションを載せたことを思い起こした。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~naturalistcafe_catsfour/pdf/isoroandcat1.pdf

さて、著者が郵便配達人の〝Can I be your person?〟に籠めた真意とは如何?

この11月8日に栃木県宇都宮のNさん宅から引きとり、その1週間後に正式譲渡していただいた〝野犬の子〟グーに対して〝Can I be your person?〟の謙虚な姿勢は絶対忘れてはならないなと思う。

ちなみに絵本の巻末にはこんなノート【写真2】が載っている。
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