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  • 2018年05月29日 | view 1,159
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岳(ガク)が家に来た! - 出会いからのお話

hit.see.y さん
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出会いは半年以上前のある日、プラッキングの為に陸(リク)をトリマーさんに預け、近くのショッピングモールにあるペットショップに行った日の事でした。

いつもならガラス越しに飛び廻る子犬達を見て、「かわいいな~」とか思うくらいだったのですが、その日は貼ってあった子犬たちのプロフォールの中に"ノーフォークテリア"の文字を見つけました。
どうしても同じ犬種がいると知ると見たくなるのは、犬を飼う人の修正なんでしょうか。ガラスの中を見まわし、何頭もの子犬たちの中からノーフォークテリアの姿を探しました。
しかし、まだ5か月にも満たない写真の彼は見当たらず。
そこで連れがどうしてもというので、店員さんに話をして、奥にいた彼を連れてきてもらいました。
まだ幼く、小さな体は緊張の為か体は固くなり、前足はピーンと伸びたまま。触れるごとに手をなめ始め、尻尾を振り動かし、最後は飛び跳ねるように全身で喜んでいるようです。
そんな様子を見た時、たぶんこの子はうちに来る。うちで一緒に暮らすんだと心の片隅に感じていました。
店員さんと話をしながらいろいろと聞くと、なにやら検査の必要があって、まだお譲りすることはできないとの。
「ノーフォークテリアは全頭検査をしていますので・・・」、「今テリア種の一部で先天性の病気を持つ個体が増えていてその検査をして問題ない子だけお譲りしています・・・」
「検査が終わる数ヶ月後にご連絡いたします。」
なんだか意味深な回答が帰ってきました。
陸のプラッキングが1か月後くらいにあるので、また来る機会がある。ショップの店員さんに連絡先を残し、さっぱりした陸を迎えに行って帰宅しました。

この日から数ヶ月、この間何度かペットショップに立ち寄る機会があり、ガラス越しにあの子を探しましたが、その姿は見つからず。
窓ガラスに貼ってあったプロフィールもすでに外されていて、最初にあって話をした店員さんは産休になりおらず・・・
縁がなかったのかと思い記憶の片隅にしまわれそうになった頃・・・

初めて見たあの日からかれこれ4ヶ月が経ったある日、突然お店から連絡が入りました。
「検査の結果がでました」
「病気の可能性があることが分かりました」「申し訳ないですがお渡しすることはできなくなってしまいましたが、一度お話をいただいていたので、ご連絡差し上げました・・・」

電話での話を聞いた瞬間、あまりにも突然の出来事に一瞬言葉が出ませんでした。
とりあえず話を聞きに行こう。会いに行こう。
運命的なタイミングなのか、陸のプラッキングの日が数日後に決まっていました。仕事が忙しい時期で行くことも難しい日が続いていたのに・・・
車で1時間。陸をトリマーさんに預け、さらに車で15分。あのペットショップに駆け込んで店員さんに声をかけました。
「検査の結果は、肝微小血管異形成の疑いです。」
「血液検査をして総胆汁酸の数値から門脈シャントがまず疑われましたが、エコー、CTなどの検査をしたところ門脈シャントの疑いは低く、多分肝微小血管異形成ではないかと・・・」
「???」
耳にする単語、どれ一つ聞いたことのないものばかり。
しかしこれだけは理解できました。
この子は病気になる可能性を持っている。
健常な子より短い一生になる可能性を持っている。

そして聞きました。「この子を連れていくことはできないのですか?」
答えはこうでした。「お売りすることはできません。病気の可能性がある子はお売りすることは出来ないんです・・・」
そして次の言葉。
「でも、病気である事を理解していただいた上で、譲渡する事はできます。」「お店として保障する事などは一切出来ないですが・・・」
一緒に行った連れはたぶんこの時点で連れて帰ることを決めたのでしょう。

犬を飼うという事は、共に生活をしていく大切な家族が増える事であり、その子の一生を共にし喜びを享受する事と同時に、飼い主(親)としての責任が生まることだと感じています。
一緒に過ごして様々な体験を共に分かちあえる喜びは、ペットを飼われている方は少なからず感じられるのではないでしょうか。
しかしながら本当にこの子を飼っていいのだろうか?飼い主が自分でいいのだろうか?本当にこの子にとってこの選択が幸せな事なのか?不安が頭をよぎりました。
私たちのところではなく、病気にならないようにケアしてもらえる場所や、病気になっても対応できるもっとイイ環境があるのではないか。
そんなことが頭の中でグルグルと廻っていました。

しばらくその子を眺めながら静かな時間が過ぎていきます。
見た目はごく普通のノーフォーク。愛嬌のある顔立ちと真っ直ぐな眼差し。そんな顔をしばらく見ているとこれもなにかの縁なのかな?とその時感じました。
喜びも、悲しみも全てひっくるめて一緒に分かち合う。最後は悲しい思いをするかもしれない。それでもこの子と最後まで一緒に過ごすことができれば・・・
連れて行こう!もう一匹の家族を。
連れと二人決心しました。
店員さん譲渡してもらうことを伝え、新しい家族になることになりました。

この子の病気はたぶん間違いないものだと思われます。
疑いの状況から病気を確定させるには肝臓の組織をとって病理検査するしかありません。
そんなことをしても、誰も何の得にもなりません。
この病気は薬で治るものでもなく、手術しても治癒させる事はできないものです。
では、家族として何ができるのか?
一緒に過ごすこと。目一杯かわいがること。彼と一緒に過ごしていく時間を大切にしながら。

いま岳は私たち家族の一員として生活しています。毎日が良くも悪くも新しい何か起こり、一緒に過ごす一日一日が大切な時間となっています。
幸い病気の症状はまだ何も出ていません。ちょっとした行動がいつもと違うことで不安になることもあります。しかし、考えてみれば最初に来た陸が初めて来たときも同じようにいろいろなことがありました。

これから、楽しく過ごせる時間を少しでも多く、大切な家族とともに共有できればと思いながら。

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