• 里親になる
  • 2025年01月09日 | view 13
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幸運を呼ぶ黒猫くうちゃん/私の人生の導き手

ku-ta-chamaru さん

この黒猫子猫・空太(以後、くうちゃん)が訪れてから、私の人生は良い意味で激変していく。
まず、空太と暮らし初めて二ヶ月ちょっとで、偉大なインド哲学の師に出会ったのだ。
私はインドの占星術を学んでおり、インド哲学の学習は必須だったのだが、良い師が見つからなかった。
ところが、くうちゃんがうちに来た途端、このような良縁がもたらされた。
思えば、私は愛猫風太を失って、もう人生全てを祈りと供養に捧げよう、と決めたのだ。私は一生喪中として生きることに決めた。
だからこそ、魂や意識について説くインド哲学は私にとっての贖罪になり得る。少しでも罪滅ぼしになればと勉強に励み、お寺にも通った。
お寺はくうちゃんに出会う前から毎週通っていた。
一生喪中で過ごすという、私のこの決意と、くうちゃんの一生喪服、つまり黒猫としての姿は本当にぴったりとマッチする。
この決意の上に、四十九日でくうちゃんと出会ったのだから、運命を感じるわけだ。
こうしてくうちゃんは18年と5ヶ月以上にも渡って年中喪服で私をひたすらサポートしてくれている。

そうそう、くうちゃんを迎えるにあたり、もう一つの懸念があった。
母が連れてきた先住猫チャップがいたのだ。
チャップと新参者のくうちゃんにはかなり年齢差があり、くうちゃんを迎えた時にチャップは11歳ほどになっていた。
果たしてチャップはくうちゃんを受け入れてくれるのか、そしてくうちゃんはチャップを怖がらないだろうか?
まず、お互いを慣らすためにくうちゃんのいる部屋を常に閉めるようにして、突然くうちゃんがチャップの縄張りを侵さないようにした。
しかし、その心配も杞憂に終わった。
ある時、うっかりくうちゃんが閉め切った部屋から出てきてしまったのである。
ちょうど、その目の前をチャップが通りがかり、あわやというところ、なんとくうちゃん、二本足で立ち上がり、チャップに向かって手をカリカリ引っ掻くポーズ(実際には引っ掻いていない)をする。
チャップは? 激しく反撃したらどうしようと思っていたところ、うざいなあ、という感じでドタドタと走って逃げていく。
くうちゃんは「僕は強いんだぞ?」と言わんばかりに胸を張っている。
それを見ていた私と弟は苦笑してしまった。
弟は
「こういうのみると癒されるねー」
と言って喜ぶ。
本当に懸念材料がなくなってよかった。
それ以降は徐々にふすまを解放し、くうちゃんとチャップのやりとりを楽しめるようになった。
チャップの方も面倒くさそうにしながらも、何かに怖がって逃げてきたくうちゃんの頭をペロッと舐めてあげたりしてる、と弟からの報告があり、チャップの認可も降りて晴れてくうちゃんは正真正銘の家族になった。

その次の年、2007年にはかねてから執筆させていただいていた媒体から発展して、自分個人の有料サイトを持たせてもらい、執筆だけでなく監修としても収入が入るようになった。
それだけでなく、自分の講座を持ち、指導者としてのキャリアも積むことができた。
ついこの間まで、愛猫を失ったショックで極度のペットロスになり、何も手のつかない、後悔でのたうち回る日々を暮らしていた人間とは思えない変化だった。

一方で、くうちゃんとの関係についてはたくさん後悔がある。
いけないとわかっていながら、どこかで先代猫の風ちゃんと比べてしまっていたのだ。
私はちっちゃくて愛らしい子猫のくうちゃんに冷たく当たることがあった。
このくうちゃんのおかげで、なんとか風ちゃんを失ったショックを乗り越え、仕事も勉強もできているのに、素直になれなかった。
くうちゃんがタンスに手をかけて中を覗いて楽しんでいるのに、無意識でタンスの引き出しを閉めてしまったことがある。
くうちゃんは「ぴ!」と言ってびっくりしていた(くうちゃんの声は若いうちはかなり高く、にゃーというより、ピーとしか聞こえなかった)。
母に告げたら、「そんなことしない」と言われ、お前はとんでもなくひどいことをしているという感じで非難された。
しかし、くうちゃんは天性のマイペースがあって、人がどうあれ、自分のペースで楽しむ性格の素直な面があった。
くうちゃんを授けてくれたおじさんも、「クロは一人で遊んでるから面白いよね。おっとりしてるから飼いやすいかなーと思って」と述べていたが、その通りだ。

とはいえ、その遊びも注意しなければならなかった。
何か足元の方で、くちゃくちゃ音がするので、何事かと見てみるとくうちゃんの口からだらーんと紐が垂れている。
引っ張ると、驚いたことにかなりの長さの紐を口に入れて、くちゃくちゃやっているのである。
本当に危なかった。
他には先代の愛猫風太がよく遊んでいたアルミボールだが、なんとこれもかじって口の中に入れ、ゲーッと吐いてしまった。
しかも、嘔吐が猫生初めての経験だったのか、自分が吐いたものを見て逃げる始末。
もう、くうちゃんには私が見ている時以外、おもちゃを出してはいけないと思った。
これまで縁のあった猫さんで、異物を本気で食べてしまうなんてことはなかったので、これには驚いた。
その時、自分が思ったのは、おそらくくうちゃんは母猫と本当に早く引き離されてしまったのではないかということだ。
無慈悲な人間が、早い段階で母猫から子猫を奪い、捨ててしまったのだろう。
だから、くうちゃんはどのように遊ぶかもよくわからないし、どんなものを食べてはいけないのかもわからない。

子供の頃のくうちゃんを見ていると、母猫に本能的な部分を教えてもらっていないのではないかと思えた。
だとすると、母乳をあまり飲んでいない可能性があるので、くうちゃんは免疫力が弱いかもしれない。
私の願いはとにかくなんでもいいから健康でいて欲しいというものだった。
わがままでもイタズラでも良いから、とにかく健康でいて欲しい。
先代猫の風ちゃんはもともと外で暮らしていた子だったので、たくさんの病気を患った。
この辛い経験から、くうちゃんの生では病気だけは避けたかったのだ。
そのため、食事にはそれなりにこだわった。
お財布と相談しつつだが、できるだけ国内製造のジャンクフードを避け、海外の自然由来のフード中心にした。
子猫の頃はニュートロのドライをよく食べた。
また、痩せっぽちで黒くて長いしっぽが針金のように見えるくらいだっため、体力をつけようと思い、先代猫の置き土産である生の馬肉も、本当に小さい時のみであるが食べさせた。

このフードのせいかどうかわからないが、ちょっと遊んで興奮すると「ウー、ウー」と、うなるようなことがあった。
また、小さな頃は噛み癖があり、嬉しくても甘えていても、興奮するとガブガブ噛んできた。
くうちゃんを授けてくれたおじさんが言うには、くうちゃんは妹猫の三毛猫のお尻をよく噛むんだということだった。
そのため、寝る時に2匹はそれぞれ別のケージに入れていたと言っていた。
この癖も、乳幼児期に袋詰めにされて怖い思いをしたからだろう。
なので私は、噛み付いてくるくうちゃんを決して怒らないようにして、
「大丈夫だよ、もう怖くないからね。こんなことしたら痛いんだよ」
と根気強く何度も教えた。
いつかわかってくれる時が来るだろう、と思って。

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