• 別れ
  • 2022年11月25日 | view 112
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シプちゃんとのお別れ

すます さん
すます さん

11月18日、長い闘病の末、シプちゃんが亡くなりました。

最初に異変に気が付いたのは8月のお盆明けの頃でした。水飲みのあるケージから、部屋の反対側まで走ってお気に入りのクッションの上にいつものように飛び乗ろうとしたときに派手にすっ転びました。
その時に僅かに左足を引きずっている気がしたので怪我?と思い、近くの病院に連れて行きました。
レントゲン取っても骨には異常なし、ということで薬を貰いながら様子見となりました。
するとその1週間で今度は右手を庇うようになってきました。
病院で相談したものの、原因判らず加齢によるものでは?とのことで様子見、異変無ければ特に通院不要と言われました。

7才、老化による衰えとしてはちょっと早すぎでは・・と思いつつ手足を引き摺るシプちゃんを労わって過ごしていたのですが、9月末頃の夜中に突然の激しい発作を起こしました。
体をばたつかせて目は左右キョロキョロの尋常でない状態に狼狽えながらも、必死で暴れるシプちゃんの体を支え落ち着かせると、発作は数分で収まり、数時間すると食欲も回復してくれました。

翌日、家から少し遠いけど、うさぎの得意な病院に連れて行きました。
体が痩せて衰弱しているのと、右肩部のしこりを指摘されました。
適量の食事をしているにも関わらず痩せているのは腫瘍に養分取られている可能性高いのと、昨晩の斜頸発作も体力低下が直接原因となって表れた物で、手足の動かないような神経系の異常との関連が気がかりだけど、検査や治療に耐えられる体力回復が先決とのことで、今はとにかく栄養のあるもの沢山食べさせ体力回復を優先する。となりました。

抗炎症と食欲増進の薬を飲んで、栄養価の高いペレットを主食として水で溶いてペースト状にして今までの倍以上摂取させるのを目標とする生活が始まりました。
数度の通院の間、順調に体重を増していって、この調子ならもう少しで検査や本格的な治療に移れそうに思えていたのですが、11月に入って間もなく、とうとう両手が動かせなくなり自力で食事や水を摂るのも困難になってしまい、大変な介護生活が始まりました。

食欲には波があり、食べれるときはしっかりノルマをこなしてくれるので朝昼晩間隔の給餌でも良いのですが、食欲ない時は脱水に陥らないよう昼夜問わずの1時間置きくらいでのまめな給餌が必要で、これは私にとっても心身ともにかなりきついものでした・・

やがて、食欲が落ち始め、一時は収まっていた斜頸発作が断続的に発生するようになってしまいました。
しかしこの斜頸発作は、頭を撫でてあげることで落ち着きを取り戻して、発作も収まってくれる事もわかりました。そこでうさぎのベットに手が届くところに寝袋敷いて、シプちゃんに寄り添って寝られるようにして、寝ながらテレワークできるようPCも持ち込んで、発作起きても即看病できる体制にしました。

その間も食欲が落ち続け、とうとう水も満足に受け付けない状態が始まりました。
懸命に強制給餌を試みましたが、給餌失敗して吐きだされた野菜ジュースやらペレットで体中ぐちゃぐちゃに汚しながらも必死に拒むシプちゃんが鼻を啜るように泣くのを見て、これ以上の無理は却って苦しめるだけだと思い至り、もう無理に頑張らなくてもいいよと宥めて、せめて最期になにか好きなものでも口にして欲しいと思い、好物を取り揃えたお皿を持ち寄ったところ、健康時に食べていた普通の固形ペレットに猛烈な勢いでがっつき始めたのでした・・・

今まで食べなかった分を取り戻す勢いで食べ続けるシプちゃんに唖然となりつつも、うれし泣きしながら介助を続けました。

翌朝、少ないながらも順調に食欲を回復してきている状況で、次の通院予定を翌日に控えていたこともあって、その日にすぐに病院に連れて行かなかったのが悪かったのかもしれません。
晩になって急に食欲がなくなり、投薬もおろか、水滴数滴分相当の0.1ccの水の試験的な強制給餌ですら、えずいて吐きだしてしまうような緊急事態になってしまいました。
継続的な斜頸発作に加えて、満足に動かない腕を痛みに苦しむようにかきむしる発作を数分おきに起こすようになってしまいました。寝ずの看病をするも、水分すら吐きだして飲まないため、翌朝、うさぎの病院と相談した上で、最初に通った近所の病院に連れて行き点滴を打って貰いました。
しかし、食欲は回復せず、水分すら口にしない状態が続き、再び眠れぬ夜を過ごしました。

翌朝、依然衰弱しているものの昨日よりは呼吸は整っている感じがしていたので、一縷の望みをかけてうさぎの病院に相談してみましたが、リスクを負って遠路連れて行ったとしても、消耗しきった状態では点滴以上の処置がとれない事や、今の危機的状況を乗り切れたとしても、これまでの急激な症状の進行から、手に負えないレベルの腫瘍の複数同時進行が予想され、状況改善は困難な見通しが示唆されたことから、家で看取る決心を固めました。
それからはただひたすら、飲めないけど、渇きを少しでも癒せるようこまめに水を口に含ませてあげることと、寄り添ってあげることしかできませんでした・・

そして2022年11月18日 19時33分、私の腕の中で息を引き取りました。

死の瞬間は少し苦しんだとは思いますが、苦しみは短い時間で、見ていられないほどの苦悶は見せませんでした。むしろ2週間近くにわたる寝たきりの闘病の時間の方が長く辛かったように思えます。

私的には、深刻な状況と判ってからの闘病の時間が長かった事で心の整理をつける時間があった事や、最期まで寄り添ってあげられた事もあり、後悔することが無かったとは言えないけど、可能な限りの事はしてあげられたと感じており、シプちゃんが旅立ったことは少し寂しくはあるけれど、長い苦しみから解放され、今はもう自在に動ける体を取り戻して自由で楽しく過ごせているであろう事を思うと、幸せを願いながら、今は温かい気持ちになって思い出に浸れています。

送り出すときの画像、載せるものかとても迷いましたが、敢えて載せます。
シプちゃんは最後の方には、好物も水も口に出来なくなってしまっていたので、全てから解放された今は、思う存分好きな物食べられるので、ひもじい思いをせずに済むよう色々沢山持たせてやりました。
里親支援の皆さまから頂いて預かっていた幸運のお守りや、おしゃれ帽子も持たせてやりました。
お空には、良い子だったうちの先代、先々代達も待っていてくれるので、さみしい思いをすることなんかも無いでしょう。


うちに来た頃は大変な恐がりだったシプちゃんですが、ここ数年は、ようやく私を同居人と認めてくれたようで、呼んで来てくれる事はついにありませんでしたが、頭のナデナデには常に応じてくれるようになって、時には催促されることもありました。
手渡しでペレットやおやつも食べてくれるようにもなってきていました。
食べ物には目が無く、好き嫌いもあまりせず、見慣れない食べ物出されても果敢にチャレンジして、何でもおいしそうに食べてくれるいい子でした。
ただ、不用意に近づいたり目が合っただけでも怯えて隠れてしまう神経質な感じは終生続いていたので、あるいは対人恐怖のトラウマか何かがあったのかもしれません。雰囲気の変化に敏感でちょっとした事で怯えてしまう感じは最後まで払しょくできず、写真撮るのも躊躇されてあまり取り残せなかったことだけは心残りです。

最後にシプちゃん、最後の方、あれは大変で辛かったけどよく頑張った、お疲れさまでした。
もう自由にどこにでも行けるのだから、楽しい仲間たちの待つところに真っすぐ行くと良いよ、振り返らずに。ありがとう、さようなら。

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