- 登場ペット:
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エルの妹に当たる「チビマミ」と名付けた猫の話です。
この子は我が家のティダが大好きで
ティダが庭に出ると必ずそばに行って離れませんでした。ずっとずっと。
ティダが大好きすぎたのか
その子は3年の短い生涯、妊娠はおろか、どの雄猫も近づけさせませんでした。
犬と猫
でも
ティダもいつも一緒のこの猫がいる事が当たり前のように
庭に出る時はくつろいでいましたし
他の猫が来ても、まるでベッドのようにティダのうえで寝ても
優しくそれを受け止めていました。
でも
今年の1月、その関係は終わりになりました。
ある日チビマミが来なくなりました。
嫌な予感がしたのですが
最後に見た時に
具合が悪そうではなくいつものようにご飯を食べていたから
大丈夫だって思っていました。
翌日、現れたチビマミは
苦しそうな呼吸で、身体も熱く
明らかに熱を持っているようでした。
食べ物とお水以外は手を出さないと
そう誓っていたのですが
あまりの苦しそうな姿に
病院に連れて行ったあと自宅で飼う
そう決めて
病院に連れて行きました。
午前中ギリギリだったでしょうか
迷惑だったのかもしれませんが
受付時間内でしたので
問題ないかと思ったのですが・・・。
獣医師は
開口一番
「この猫をどうするつもりなんですか・」
と聞きます。
こうやって飼う気もないのに、避妊もせず
無責任に餌を与え、治療していく人がいるから
野良猫はどんどん増えて迷惑になるんだ。
だいたい
ワクチンも打っていないし
定期的に健康診断もさせていないような
そんな適当な勝手な行為が
こういう野良猫を増やすことになるんだ。
地域猫って云ったって
定期的な健康診断や、ノミ駆除や、ワクチンなんてしていないでしょ?
それで地域で飼ってるなんていう事って、おこがましいと思いませんか?
そういいつつ
呼吸の苦しいチビマミをまるで物のように乱雑に扱い
吐き捨てるように
「で、それでも治療するって云うの?」
高圧的に言われました。
泣きたい気持ちで、乱雑に扱われるチビマミを見ていました。
連れてくるべきではなかったのかと。
こんな今にも死にそうな苦しそうな状態で
どうして乱雑に扱われなきゃいけないのかと
そういう思いでいっぱいでした。
そして
死にそうな猫を前に言う言葉なのか
悔しい気持ちでいっぱいでした。
ただ黙って
「治療をお願いします」とだけ告げて
抗生剤の注射と薬を出してもらって
チビマミに謝りながら家に帰りました。
野良猫になったのは、この子のせいではない。
過酷な環境で、それでも一生けん命生きてる。
大切な命に違いはない
地球は人間だけの惑星ではないじゃない。
たくさんの生き物がいて
その中に人間もいる。
虫だって、魚だって、鳥だって
微生物だって
自由に生きる権利がある。
人間だけがそういう生き物をまるで管理し
コントロールできるみたいに
思う事こそおこがましいと、私は思うよ。
猫だって昭和の時代には
自由に外を歩いて生きてた。
それなのに、猫たちを完全違管理できるなんて思う方が
どうなんだろうって思うよ・・。
それから5日目の朝
温かな清潔な敷物を敷き詰めたキャリーに、水と食べ物を置いて
トイレに行かせて、
ずいぶん回復したかと思ったんだけど
冷たくなったチビマミがそこに居ました。
甘えるだけ甘えて
最後に、人の傍で食べ物ときれいな水を飲めて
ちょっとは幸せだったかな?
普通はみんな虹の橋を渡る時、死ぬ姿を見せないんだけど
どうしてもティダ君と我が家に居たかったんだって
そう思った。
ただ、彼女は
人間の、ティダ君の傍に居たかった
それだけだったんだ。
亡骸の周りには兄弟たちがいてくれてたみたいだった。
満足して
虹の橋を渡れたかな?
優しい、可愛いチビマミ
本当は自宅にお迎えしたかったんだよ。
きっときっと
ベッドで一緒に寝るのが大好きな子だったと
そう思うよ。
ごめんね
でも
出会えて幸せだったよ
そして
ありがとう。