• 保護活動
  • 2017年01月16日 | view 2,382
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保護犬しし君改め、雪風くん!

ししくんは、2016年11月初旬に倉敷保健所に保護された野犬の男の子でした。イノシシ罠にかかっていたそうですが、おそらく野犬同士の喧嘩でしょう、右耳を失っており、全身にたくさんの傷跡があり、さらにアカラスで毛がまばらで、衰弱していました。職員さんたち、アカラス退治のため、イベルメクチンという注射を定期的に打ち、皮膚に良い療法食を与え、ヤギミルク、あまに油で免疫力をアップさせ、薬用シャンプーで定期的にシャンプーされ、制限のある中、できる限りの手を尽くされてきました。その効果が大きく、ししくん、どんどん毛がふわふわになっていき、また人馴れも進みました。これは私の勝手な推理ですが・・ししくんは、おそらく元飼い犬。棄てられたか、迷子になったか、野犬の世界に入って生き抜いてきた子。でも、野犬の世界のルールを知らなかった子。群れに入るときにボスとの喧嘩があったのでしょう。失った右耳、体の傷跡はその勲章?!だから、ひとたび保健所に入って係留されると、係留エリアの前に出てきてお座りして餌をおねだりするようなしぐさも見えるようになったのだと思います。野犬はフィラリアにかかるので5歳ぐらいしか生きられないといわれますが、フィラリア陰性でしたし、歯の状態などから7歳前後ではないかといわれていますし。
さて、ししくん、ペットのおうち経由ですてきな方が手をあげてくださいました!はるばる東京からご家族で飛行機でお見合いにお越しになり、譲渡決定となったのです。そして、ご自宅の準備が整うまで、引き続き保健所でケアいただくことになりました。
2017年1月11日、私が代理引き出しで空輸するというお約束で、ししくん、晴れて保健所卒業です!バリケンに収まって車に乗り込むしし君をご覧になって職員さんが「収容当初のカルテの写真をみると、よくここまで回復したと思います・・」と、感慨深げにおっしゃっていました。他の収容機関でしたら、譲渡対象にならなかったかもしれません。倉敷保健所の職員さんたちの一頭一頭に向き合われる情熱、愛情、努力にはいつも感動しています。
さて、ししくん、クリニック直行で、状態を見て頂くと、アカラスはほぼ落ちていると思われると。そして再発防止の意味も含め、新薬のブラベクトを処方していただきました。
我が家に帰る途中、車酔いでドロドロになったので、早速シャンプーですが、温かいシャワーが心地よさそうで、穏やかに2度洗いさせてくれました。お風呂場からリビングまではバスタオルに包んで抱っこで移動しました。12㌔と野犬としては小さめで、扱いやすい子です。
我が家の愛犬Edと面会、ししくん、ちょっと低く唸りました。やはり、完全な野犬ではなさそうです。(我が家に引き出してEdに対して唸ったのは、ししくんとガウガウ柴だったたか子さんだけ。)完全な野犬なら、先住犬をたてられるはず・・ですけれど、Edはオールマイティなので、ししくんに無理に近づかず、適度な距離を保って寄り添っていました。
翌朝はもう岡山空港へ向けて出発です。山道やはり車酔いしてしまいましたが、駆けつけてくださったお友達のボランティアさんの助けを得て、バリケンのお掃除とししくんの身体拭きをすることができ、感謝です。
ししくんの乗った飛行機が雲間に吸い込まれていく様子を祈る気持ちで見送って、自宅に戻り、しばらくすると、ししくんのお姉さんからしし君が無事到着した旨連絡が張りました!
ししくん、雪風(ゆきかぜ)くんというお名前になりました。
「雪風という名を考えています。少し呼びにくいのですが、苦戦の中生き残った運の良い駆逐艦の名前、そして好きなスピッツの歌の題名でもあるんです。岡山のお隣、広島呉で大活躍した駆逐艦らしいので、場所も合ってるかなと(笑)」
なんて素敵なお名前でしょう!そうですとも、ししくん、厳しい野犬生活を生き抜いたラッキーな子なのです、そして、保健所でベストケアを受け、さらにご理解あるご家族にお迎えいただけた、最高に幸運な子なのです!
近い将来、東京の公園を闊歩する雪風君とお姉さんの姿が見られることでしょう・・
日々保健所を訪問し、収容される野犬たちを目にしていると、心が折れそうになることもたくさんありますが、職員さんたちの日々のたゆまない努力や、皆様からのたくさんの応援、そして、心あるご家族がこうして小さな命をお迎えくださって素敵なご縁を頂けることから、力を頂けています。
2017年、最初に私の手元を旅立っていったのは雪風くんでしたが、彼に続いて今年もすてきなご縁繋ぎのお手伝いができますように・・

写真左 : 岡山空港に到着。バリケンをお掃除して、少しお外の空気を感じて・・なつかしいね、お外。2か月余り、保健所の地下室だったからね。
写真中 : 我が家からの旅立ちの朝、Edがエールを送ります。「元気でね、へそ天、覚えててね。幸せにね・・」
写真右 : 東京のおうちに到着した夜。今日からふかふかベッドだよ・・雪風君、おめでとう!

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